大統領就任1年のエジプト、全国で1400万人が抗議デモ

大統領就任1年のエジプト、全国で1400万人が抗議デモ
6月30日、モルシ大統領就任1年を迎えたエジプトで、同大統領の辞任を求める1400万人規模のデモが全国各地で実施され、これまでに4人の死者が確認された。首都カイロのタハリール広場で撮影(2013年 ロイター/Mohamed Abd El Ghany)
[カイロ 30日 ロイター] - モルシ大統領就任1年を迎えたエジプトで30日、同大統領の辞任を求める1400万人規模のデモが全国各地で実施され、これまでに4人の死者が確認された。
首都カイロ中心部にあるタハリール広場では、約50万人の国民が国旗を掲げながらモルシ大統領の辞任を求めた。抗議活動の大半は平和的に行われたが、カイロの南にある2都市では計4人が銃撃され死亡、同国の保健省によれば複数の都市で衝突があり、約200人が負傷した。
軍関係者によると、抗議活動に参加したのは国民の6人に1人にあたる約1400万人。エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長もカイロでの抗議活動に加わった。また、デモは国内20カ所以上で行われたとの情報もある。
モルシ大統領の出身母体であるイスラム組織「ムスリム同胞団」の本部には、武装勢力から火炎瓶や石が投げられたほか、銃撃も受けた。デモの代表者らは、大統領が辞任するまで各都市の中央広場を占拠するよう、参加者に呼びかけている。
多くのデモ参加者は、ムスリム同胞団がエジプト革命を乗っ取り、選挙戦での勝利を利用して権力を独占し、国民にイスラム法を押し付けていると主張。大統領選でモルシ氏に投票したと話す人を含め、政治的膠着(こうちゃく)で深まった経済危機や治安の悪化によって「蚊帳の外」に置かれた国民も生まれている。
一方ムスリム同胞団の政治家からは、デモ隊は「クーデターを起こそうとしている」と非難する声も上がっている。

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