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染五郎、松緑、菊之助、愛之助がトークイベントで思いを語りました~歌舞伎座新開場柿葺落「七月花形歌舞伎」


 6月14日(金)GINZA KABUKIZA地下2階「木挽町広場」で、 歌舞伎座新開場柿葺落「七月花形歌舞伎」トークイベントが開催され、市川染五郎尾上松緑尾上菊之助片岡愛之助が公演への思いを語りました。

【市川染五郎】
7月は歌舞伎座が新開場して初めての「花形歌舞伎」公演です。私たちの世代が、この歌舞伎座を支えていく、そういう意気込みと責任を持ってこの興行を勤めたいと思います。昼夜に亘っての「通し狂言」、「宙乗り」が披露されるのも、新しい歌舞伎座では初めてですので、ぜひ歌舞伎ならではのスペクタクル、物語の展開を楽しんでいただきたいと思っています。

昼の部『加賀見山再岩藤』では、多賀大領、安田帯刀の二役を、夜の部『東海道四谷怪談』では、民谷伊右衛門を初役で勤めます。『四谷怪談』のベースには『忠臣蔵』があり、伊右衛門はその事件が引き金となって人生が狂ってしまったのだと思います。今回は久しぶりに「蛍狩の場」も上演するので、伊右衛門とお岩はそもそも夫婦であったということが確認でき、それがこんなふうになってしまったという対比が明確になるのではないかと思っています。


【尾上松緑】
歌舞伎座新開場柿葺落公演がはじまり、先輩方のご活躍でとても盛り上がっているところですので、私達も良い舞台を勤め、さらに盛り上げていきたいと思っています。昼の部『加賀見山再岩藤』では、岩藤の霊と鳥井又助を勤めます。岩藤は宙乗りや早替りもあるので、皆さんにもアドバイスをいただきながら、良いものにしたいと思います。また、恐ろしい幽霊から綺麗な姿にかわるのも眼目の一つですから、きっちりとアクセントつけて勤めたいと思っています。

夜の部『東海道四谷怪談』では直助権兵衛を勤めます。昼の部では菊之助さんの演じる尾上を草履で叩くので、その仕返しに夜の部では惚れた女をとられてしまいます(笑)。また、先の話ではございますが、この4人は 歌舞伎座新開場柿葺落 九月花形歌舞伎でも一緒に舞台を勤めさせていただくことが決まっているので、そこに弾みをつける為にも、7月の舞台を成功させたいと思っています。

 

【尾上菊之助】
七月花形歌舞伎を同世代の方達と開けることができて本当に幸せです。そして先輩方が支えてきてくださった歌舞伎を私達の世代でまた盛り上げられるように頑張りたいと思います。

『東海道四谷怪談』のお岩は、私の祖先にあたる三代目菊五郎が初演し、生涯で9回も演じた音羽屋に縁のある演目です。様々な仕掛けや早替りがあり、お岩の顔が醜くなり髪がどんどん抜けていく「髪すき」などの見どころも多く、亡霊になって男を祟り殺すすさまじい怨念を感じていただけます。観ていただいた方に"3日間は暗闇が怖くて歩けない"と思っていただけるように、そして、7月の暑いさなかですけれど、劇場にお越し下さったお客様には、背筋が凍るような思いをしていただけるように、一所懸命に勤めたいと思っています。


【片岡愛之助】
新開場した歌舞伎座の舞台に6月公演で初めて立たせていただき本当に感動しています。先輩方が支えてきた血と涙の結晶である歌舞伎座が新しくなり注目されていて有難いのですが、これがブームで終らないように気を引き締めて、また、先輩方が築いてきたものを私たちが受け継いでいけるように、頑張っていきたいと思っています。

私は『加賀見山再岩藤』で望月弾正を勤めます。お家を乗っ取ろうとしながら、最後は潔く腹を切って死ぬ悪役です。7月は外も非常に暑くなると思いますが、それに負けない熱い舞台を繰り広げたいと思います。ちなみに、9月歌舞伎座の花形歌舞伎で勤めるのも実は悪役です(笑)。暫くは悪役に徹して頑張りたいと思います。