【1月17日 AFP】ロシアのある街で氷点下の中、集合住宅の玄関通路に置き去りにされた赤ん坊を一匹の野良猫が温め続け、世話したことで人々の賞賛を浴びている。

 露カルーガ(Kaluga)州オブニンスク(Obninsk)で10日、気温が0度を下回る中、集合住宅の通路の床に生まれてまもない男児が放置されていた。地元のズベズダ・テレビ(TV Zvezda)によると、廊下の段ボール箱をすみかにしたマーシャ(Masha)と呼ばれる野良猫が、数時間にわたって男児を自分の体温で温めていた。

 大きな泣き声を聞きつけた住人の一人が自室のドアを開けたところ、床に横たわる男児とそばに寄り添って子どもをなめ、温めるマーシャの姿があったという。同局のアナウンサーは「住人らは、猫が面倒をみていなければ、男児は助からなかったと確信している」と伝えた。階上の住人の一人は露レン・テレビ(Ren TV)に、猫が助けを求めているような鳴き声を聞いて外へ出て「下りてみると、赤ん坊が泣いていた」と語った。

 救急隊員らが到着し男児を救急車に乗せると、マーシャは後を追ってきたという。ある隊員は「マーシャは子どもをどこに連れていくのかといった感じで、とても不安げだった。鳴きながらすぐ後ろをついてきた。本当に頭のいい猫だ」と語った。

 ロシアのテレビ局は、玄関ホールに住むことを許されるようになったグリーンの瞳をもつ毛足の長いシマ猫が、住人らに餌を与えられている映像を放映した。

 置き去りにされていた男児は推定で生後2~3か月、健康状態はいたって良好だという。男児はきれいな服とおむつの袋と一緒に置かれていた。男児は病院に保護されており、警察では両親を捜している。(c)AFP