彗星に着陸する音って、こんな風なんだ

  • author 福田ミホ
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彗星に着陸する音って、こんな風なんだ

音も彗星の成り立ちを知る手がかり。

彗星着陸機フィラエはチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星上で休眠モードに入ってしまいましたが、短時間にたくさんのデータを地球に送ってくれました。その中には、彗星に着陸した瞬間の音も入っていたんです。たった2秒間の音ですが、科学的にはすごく重要なんです。

彗星の音の記録・分析はSESAME(Surface Electric Sounding and Acoustic Monitoring Experiment、直訳:地表電気探査・音響監視実験)として行われていて、音はフィラエの3本の足に埋め込まれたセンサーが捉えたものです。フィラエは着陸のときに機体を安定させるために使う予定だった機器が故障してしまったため、彗星上で2回バウンドして、3回着地しています。以下はそのうち1回目のバウンドのときの音で、SESAMEを担当しているドイツ航空宇宙センターが公開したものです。

フィラエの着陸時の音は、ただ聞いて感動するために記録されたわけじゃありません。それは、彗星の地表がどうなっているかヒントを得るために分析されているんです。「着陸機フィラエは、まず厚さ数cmの柔らかい層に接しています。その後ほんの数ミリ秒後に、フィラエの足が67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の固い、おそらく凍った層とぶつかっています。」ドイツ航空宇宙センターの研究者でSESAMEの責任者であるKlaus Seidensticker氏が言っています。

このヒントは、フィラエの他の機器から得られた情報とも一致します。フィラエに搭載されたハンマーは彗星の凍った表面を割ろうとして壊れてしまったんです。つまりチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の表面はかなり固そうだということが、音からも確認できたんです。

top image by ESA

source: German Aerospace Center

Sarah Zhang - Gizmodo US[原文

(miho)