櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

10/25:ダンスイベント『一穂の空へ』にて、コトバから踊りを!

2009-10-21 | 公演写真&記録(国内) dance works in JP(photo etc)
「ダンス白州フェス第三季」での野外ダンスも無事に終了。作品は、6台のメトロノームが時に重なり時にズレをうみながら音を奏で、石を積み重ねたインスタレーションの中でソロダンサーが静かに”狂い”を舞う。ダンスの進行するうちに、美術もまた、段階的に変化する。樹々に包まれた「森の舞台」にて上演。広い野外ステージに木漏れ陽がいくつもの光の線を・・・。終演後、手応えがあったと何人かのお客様から話しをいただいてほっとする。興味深かったのは、木幡和枝プロデューサーからいただいた一言で、僕のダンスに時折、笑いの要素が現れるようになったという評価。これは嬉しかった。人生は哀しくてやがて可笑しいものだと、最近とても感じるようになっている。
ダンス白州では、いつもながら多くの刺激と出会いを体験した。会期近づく11月のソロ公演には、かなり反映されると思うが、その前にもう一つ、踊りの機会があるので、ご案内を・・・。

★★★10/25日曜、13時から。東京三鷹の古書店《上々堂》屋上にて。
ダンスイベント『一穂の空へ』に参加出演。★★★

コトバから生まれるダンスの実験である。それから、場所がビルの屋上。ビルと言っても、書店が入っているマンションだ。暮らしの香りがする、都会の一角のちいさな屋上。すぐ裏に、吉田一穂の墓所である禅林寺(ここには太宰治も眠る)があり、霊前へのオマージュでもある。イベントは、澁澤龍彦はじめ、多くの文学に影響を与えながら、未だ一般には知名度が低いままの天才詩人・吉田一穂を見直す機会にということで企画された。一穂に関しては、松岡正剛さんのHPにすばらしい解説がある。吉田一穂について(松岡正剛)
ここでは、音楽は使わず、吉田一穂の詩から湧き出るまま、カラダとコトバの錬金術といった趣向で踊りたいと思っている。ダンスと言葉、遠いようだけれど、肉体は生活をくぐり抜けながら、とても多くの言葉を染み付かせている。そして、新しい言葉との出会いは、肉体にも大きな変化をもたらすものだ。
四次元落体、泥とカオスの時間軸、焼ける生理、無の火、薄明ハ永遠デアルカ・・・。
一穂の詩は”感じるコトバ”に満ちている。本質的にアヴァンギャルドだと思う。
さまざまな刺激コトバをカラダに焼き付けて、動きに火をつけたい。

当日は舞踏家・石丸魚さんのダンスと2本立て。石丸さんは11月公演のチラシにも文章をいただいた方で、僕はこの人の踊りが好きだ。このイベントの企画者でもあり、舞踏歴も長い。イベントは他の日にもあり、7名のダンサーが参加。部数少い岩波文庫版の一穂詩集も販売されるとのこと。完全予約制、2500円。

【詳細&チケット】0422-46-2393上々堂ダンスイベント『一穂の空へ』
____________________________
11月ソロ公演のご案内
櫻井郁也ダンス公演『風波overflow』11/13~14上演
この一年育てた生成と破壊の軌跡から沸き上がるエネルギー渦。厳格な構成と、それを突き破る即興/即身のスリリングな緊張関係があり、生演奏のサウンドとも面白い関係が見えて来た。金曜と土曜、2夜連続で踊るが、それぞれのステージに個性が出てくると思う。稽古プロセスなどくわしい進行状況を順次このブログで書いていきますので、お楽しみに!

この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「水の節/ダンス白州」で踊... | トップ | カオスに背骨をたてる »
最新の画像もっと見る

公演写真&記録(国内) dance works in JP(photo etc)」カテゴリの最新記事