http://www.nankankeiba.com/n4/bangumi.html 携帯からは見られないかもしれませんが、上のURLが南関東の番組の仕組みです。すべての馬は獲得賞金額に基づいて格付けが行われ、その格のレースに出走することになります。例外は2歳馬や賞金獲得額が低い3歳や4歳馬で、いわゆる「格付け」が行われませんが、その獲得賞金額に見合ったクラスのレースが組まれています。 南関東の場合、前期（1月～6月）と後期（7月～12月）の格付け基準が存在します。昨年の12月の開催で賞金額が800万の4歳馬がいたとします。格付け基準表に当てはめるとC1の900万円未満600万円以上に該当します。したがって、この馬はC1格付けで走ることになります。C1の一般戦で1着となり130万円の賞金が加算されて賞金額が930万になった場合、本来ならC1を卒業して次はB3に出走するはずです。ところが年を越して明け5歳の格付け基準表では5歳C1の基準の1100万円未満800万以上に該当するので、1月の開催では再びC1クラスで走ることになります。 同様に12月までの賞金額が1210万の4歳馬がいたとすると、この馬の格付けはB2となり、12月の開催ではB2の競走に出ることになります（あるいはB2三組B3一組混合戦など）。ここで6着以下に負けて賞金を加算できなかった場合、明け5歳の賞金額はそのまま1210万で、1月～6月の格付け基準に当てはめると5歳B3の1500万未満1100万以上に該当します。したがって、1月の開催ではB3クラスに出走することが可能になります。 組に関してですが、格付けというのはかなり大まかな分け方です。例えば1月～6月の5歳C1馬といっても上はもうすぐB3になりそうな賞金額が1099万という馬も入れば、下から上がってきたばかりの賞金額が800万円という馬もいて、その差は300万円もあります。そこで、そのクラスの中でも賞金額に基づいてさらに細かく分けたのが「組」というものです。したがって上に挙げた1099万の馬はC1の一組でしょうし、800万の馬はC1の中でも一番下の組になります。組分けと獲得賞金額の関係は開催によって変動しますし馬齢によっても異なるので一般化するのは難しいのですが、同じ馬齢で同じような賞金額であれば同じ組になるようになっています。仮に賞金額800万の馬がC1の一番下の組で勝った場合、1着賞金が130万円しかないので930万円になっても再びC1に出走 できます。しかし次はC1でも上の「組」で走ることになります。 中央競馬が「勝ち上がり」のシステムなのに対して、南関東を含めた地方競馬は「負け残り」の制度です。1着～5着に入って賞金を稼いだ馬のクラスは上がりますが、賞金を稼がないと同じクラスに残ったまま、そして1月と7月の格付け改変期には下のクラスに降級することになります。 『地方競馬うんちく』ですか・・・。ここに書ききれないほどありますが、馬券作戦にいくつか役立つものを。ひとつは南関東特有の「勝ち得」です。番組編成と格付けは2開催前終了時点の獲得賞金額に基づいて行われます。例えば大井→川崎→船橋という場合、船橋競馬の番組と出走馬の格付けは2開催前の大井競馬が終了した時点での獲得賞金額に基づいて行われ、川崎競馬での獲得賞金額は考慮されません。この制度をうまく利用すると、次のことが可能になります。上の開催スケジュールに基づいて、川崎に出走予定の馬を船橋開催にも登録しておきます。川崎の登録は大井競馬前ですが、この時点でC1卒業目前という状況で大井には出走しないとします。そうすると川崎の登録はC1ですが、船橋の登録もC1で行えます。そこで川崎競馬に出走、見事1着を獲得して晴れてB3と思いきや、連闘で船橋に出走すると再びC1での出走が可能なんです。理由は船橋競馬の登録が川崎の前で、その馬はC1として登録されているからです。一度勝ち上がったクラスなのに、もう一度同じクラスで走れるという点で「勝ち得」と呼ばれています。こういった馬は比較的高確率で好走します。このクラスを卒業する実力が証明されていますし、馬自体の調子も波に乗っていると思われるからです。難点は1kgの斤量増（特別勝ちで「勝ち得」の場合は2kg増）となる点と人気を集めやすいことです。 南関東も奥が深いので、是非とも研究を重ねてみてください。私の知恵コレクションにも南関東を中心に、地方競馬に役立つ情報がありますので、よかったら覗いてみてください。