都内の「億ション」を現金で次々に買っていく〔PHOTO〕gettyimages
日経平均株価が1万9000円の大台を突破した。この株高を牽引するのは外国人投資家たち。彼らの目を通じて日本を見ると、新しい風景が開けてくる。いま海外投資家から何を学ぶべきなのか。
まさに「爆買い」
「日本のことわざに『灯台下暗し』というのがあるでしょう。われわれ海外投資家から見ると、いまの日本人はまさにその罠に陥っているように見えます。というのも、われわれ海外投資家からすれば、いまは『Buy Japan』の好機。私の周りにも、我先にと日本買いに突き進んでいる投資家がワンサカいる。それなのに、日本人は株価が上がっても、『所詮は官製相場だ』と嘆くばかり。投資先を物色しようともせずに、みすみすチャンスを逃している」
日本株に投資している在シンガポールの海外投資家はこう語る。
企業業績の急回復を背景に、日経平均株価は1万9000円の大台を突破。市場関係者は2万円も間近と騒がしいが、好景気の実感はない……確かに、そう感じている人は少なくないだろう。
株高は、安倍政権がGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などをせっついて株を買わせたことによる官製相場に過ぎないし、企業業績にしても黒田東彦総裁率いる日銀による円安政策の恩恵を受けているだけではないか、と。
しかし、そんな日本人を傍目に見ながら、「モッタイナイ」とばかりに猛烈な日本買いに走っているのが外国人投資家たちなのである。
東京証券取引所のデータを見ると、売り越し基調だった海外投資家が日本株の買い越しに転じたのは、2月第2週からのことである。それも第2週は買い越し額が158億円だったのが、第3週は10倍ほどに膨れ上がって1538億円。その勢いは増すばかりで、第4週にはさらに1000億円も積み増して2682億円も買い越しているのだから、まさに「爆買い」である。