【12月19日 AFP】ナイジェリア北東部で14日、イスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」とみられる武装集団が村を襲撃し、32人を殺害後、女性や子どもを含む少なくとも185人を拉致した。当局者や目撃者が18日、明らかにした。軍が市民を守れない状態が続いている地域が、またも集団拉致事件に見舞われた。

 襲撃を受けたのは、ボルノ(Borno)州のグムスリ(%%Gumsuri%)。地元当局者2人と目撃者1人の話によると、銃で武装した男らの一団が村内の建物に火炎瓶を投げ入れ、村はほぼ壊滅状態になった。

 この攻撃について、ボコ・ハラムは犯行声明を出していないが、村内の複数の情報筋が同組織による攻撃だったと伝えている。同域では携帯電話網が完全に破綻していた上、通行不能になった道路も多く、事件の詳細が明らかになるまで4日かかったという。

 現地の当局者によれば、これまでは軍の支援を受けた自警団が村を守っていたが、14日はついにボコ・ハラムに圧倒されたという。

 兵士らは、携行式ロケット弾や重火器で武装した武装勢力の「砲弾の餌食」にされていると不満を漏らしている。ナイジェリアの軍事法廷は17日、武器の不足を理由に対ボコ・ハラム作戦への参加を拒否したとして、兵士54人に死刑を言い渡した。兵士らの弁護士は「兵士の就任宣誓は、自殺のライセンスではない」と述べ、判決に激しく反発した。

 ボコ・ハラムは今年4月、同州チボク(Chibok)にある学校から200人以上の女子生徒を拉致。来年2月14日に行われる大統領選で再選を目指しているグッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領は、チボクでの集団拉致事件をきっかけにナイジェリアでのテロ撲滅運動を展開していくと誓ったが、治安は悪化の一途をたどっている。

 ボコ・ハラムは今年このチボク事件以外にも立て続けに拉致を行っており、拘束された子どもたちは戦闘や肉体労働の要員、若い女性らは性奴隷にされているとみられる。5年前に始まったボコ・ハラムの反乱により、これまでに1万3000人以上が死亡し、150万人以上が家を追われている。

 一方、カメルーン国防省は18日、ボコ・ハラムが17日にナイジェリアとの国境に近い町にある陸軍基地を襲撃したため反撃し、戦闘員116人を殺害したと発表した。ボコ・ハラムの戦闘員数百人が軍の車列に爆発物を使った待ち伏せ攻撃をしかけると同時に、基地を攻撃したという。この戦闘でカメルーン軍の1人が死亡し、1人が行方不明になっている。(c)AFP/Bukar Hussain