【1月16日 AFP】(一部更新、写真追加)中国当局と国営メディアによると、東部の江蘇(Jiangsu)省を流れる長江(揚子江、Yangtze River)で試験航行中のタグボートが沈没し、16日現在、20人以上が行方不明となっている。

 国営メディアによると、沈没したタグボートは新造船で、15日午後、所有者と技術者など25人を乗せて試験航行を行っていた。これまでに3人が救助されたが、22人の行方が分かっておらず、救助当局では船内に閉じ込められたままの可能性があるとみている。

 上海(Shanghai)にある日本総領事館は、行方不明者の中に日本人1人が含まれていることを確認した。タグボートにはこの日本人とシンガポール人4人、インド人1人を含む8人ほどの外国人が乗っていたとの情報がある。

 シンガポール外務省はAFPの取材に対し、沈没したタグボートはシンガポール船籍の「JMS Delta」号だと明らかにした。

 救助された男性の1人は新華社に対し、この男性と日本人のエンジニア1人が船のエンジンをテストしていたところ「突然、船が傾き、あっという間に水が流れ込んできた」「20秒もしないうちに完全に水中に沈んだ」と証言した。

 事故が起きたのは江陰(Jiangyin)市と張家港(Zhangjiagang)市の境界付近。船は一部を残して沈んだ状態で、救助隊が船体を引き揚げようと試みているが、川の流れが速く水が冷たいため作業は難航しているという。

 江蘇省当局によると、問題の船は必要な手続きを適切に完了しないまま試験航行を行っており、法令で定められた船舶状態の事前報告も済ませていなかったという。(c)AFP