カタールの出稼ぎ労働者の新種の仕事は時給1ドルのスポーツ観戦

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カタールの出稼ぎ労働者の新種の仕事は時給1ドルのスポーツ観戦

カタールの出稼ぎ労働者達の人生は壮絶で、人権侵害にも値するような環境で暮らしている事が問題視されていますよね。そんなドーハからの最新レポートによると、彼らには新しいタイプの仕事が増えているそうなんです。それは…。

2022年のワールドカップ用のスタジアムに関する作業をしていない時は、スポーツイベントでニセのスポーツファンに成りすます事。しかも、これまた信じられないほど低賃金で。

ここのところ、カタールの首長はスポーツに取りつかれていて、次から次へと名のあるスポーツチームを招きイベントを開催するのですが、首長と市民の気持ちには温度差があり、なかなかスタジアムをいっぱいにして盛り上がることが出来なかったようなのです。首長の、市民たちも同じようにスポーツ・ラブ!になって欲しいという願いはかないませんでした。

そこで、スポーツ・イベントが盛り上がって成功しえているようにみせるために、スタジアム建設に出稼ぎに来ている人たちを、サクラとして1時間1ドル(120円)で雇う事になったとか…。

このサクラの仕事は、サッカー観戦にとどまらず、様々なスポーツで行われているようで、つい最近APのレポーターがアフリカ人とアジア人の出稼ぎ労働者と一緒に彼らの寮から工業違いまで行くバスに同乗したところ、皆バレーボールの試合のサクラをしに行くところだったそうです。そして、会場に到着した労働者たちは同じ白いローブを着て頭には白いスカーフをまいてカタール人風に変身し、バレーボールの試合を観戦しながら、熱狂のないウェーブを強要され、カタール陣営が盛り上がっているフリをしていたそうです。ちなみに、バレーボールチームの人達はそのことは知らされていないそうですよ。

皮肉なことに、サクラが応援席を埋めているために、本当に観戦したいカタールの人々がイベントを観戦できなかったり、行く気が失せているという事態にが起きているというんですから本末転倒ですね…。政府が1月に調査したところ、去年のサッカーの試合の観戦者の中にカタール人が一人もいなかったとか…。

2022年にカタールで開催されるワールドカップのために多くの労働者が命を落としたり、劣悪な環境での生活を強いられている状況になていたりしているので、スポーツを観戦して盛り上げるという仕事はマシなのかもしれませんが、カタールの出稼ぎ労働者の扱いやスポーツの盛り上げ方には問題アリアリですね…。

Image by Cassim Shepard

source:AP

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文

(junjun)