東芝、原子力子会社の業績開示 原発建設は赤字続き[2015/11/27 19:30]

 アメリカの原子力子会社の減損を開示しなかった問題で、東芝は謝罪するとともに、減損状況について初めて明らかにしました。また、東日本大震災以降、原発の建設事業の赤字が続いていたことも判明しました。

 東芝・室町社長:「適時適切なタイミングで積極的な情報開示をすべきであったと、大いに反省している。投資家の皆様方に対しては、開示が不十分であったことを改めて深くおわび申し上げたい」
 東芝は、東京証券取引所から指摘を受け、今月17日にアメリカの原子力子会社「ウェスチングハウス」が、2011年度と2012年度に当時のレートで1156億円の損失を出していたことを公表しました。2006年に買収した後の業績は開示してきませんでしたが、今回、初めて明らかにしました。それによりますと、2006年の買収以降、サービスや燃料などで営業利益の黒字を確保しているものの、原発の建設については2012年度から毎年、赤字が続き、累計419億円の営業赤字になっていたことが分かりました。世界的に原子炉の建設に時間が掛かり、コストが増大していることが響いています。東芝は今後、原発事業でも64基の受注を目指すとし、原発の建設だけで、2018年度から2029年度までの年平均で約600億円の利益を見込むとしています。次の新規受注から黒字に転換するとしていますが、具体的な計画は明確にしませんでした。

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