ミニ・レビュー
17世紀フランス社会における文化の爛熟が優れたアンサンブルで再現されるCD。バシイは歌集の編纂・作曲では当時かなりの評価を得ていた存在だったとされる。「いっそう上手く歌う」術を伝授するという趣旨で自作・他作161曲が収められた写本から、今回は20作を聴くことができる。
ガイドコメント
フランスの宮廷歌曲のテイストを受け継ぎ、17世紀半ば〜後半にかけて広まった歌曲を集めた珍しい一枚。“まじめな歌、酒の歌”と称されるこの歌曲ジャンルの第一人者、バシイが残した名品を俊才たちの演奏で描き出す。
収録曲
01春がやってきたよ (バシイ)
02嫉妬にまかせてシルヴィーを疑って (バシイ)
03ヴィオールによるクラント (オトマン)
04行け、小鳥たちよ (バシイ)
05リュートによるプレリュード (デュフォー)
06リュートによるアルマンド (デュフォー)
07甘ったるい憂いの中で僕は千回思った (バシイ)
08もてることを吹聴する人に (バシイ)
09リュートによるシャコンヌ (オトマン)
10子羊ちゃんたち、草原を探しなさい (バシイ)
11リュートによるクラント (デュフォー)
12恋を知らずに生きていた (バシイ)
13ヴィオールによるファンタジア (L.クープラン)
14気まぐれ女に恋して (バシイ)
15シルヴィーの足元に咲く花々よ (バシイ)
16リュートによるサラバンド (デュフォー)
17リュートによるジグ (デュフォー)
18切ないため息よ、お前をなんと嘆こうか (バシイ)
19甘く優しいため息を聞いたでしょう (バシイ)
20ヴィオールによるシャコンヌ「ラ・ルージュヴィル」 (サント=コロンブ)