「明確な考えを持って、ワールドカップへ向かう」。FIGC(イタリアサッカー連盟)のジャンカルロ・アベーテ会長は16日、代表監督の今後に関する質問に対し、このように応えた。マルチェッロ・リッピ現監督は来年の南アフリカW杯終了後に退任する予定となっている。

アベーテ会長はイタリア『GR Parlamento』に対し、「まだ何カ月も残っている。我々は予選を突破することに集中してきたんだ。南アフリカへは明確な考えを持って向かう。だが、この話題だけが問題となることのないようにね」と語った。

さらに同会長は、「FIGCは計画に対する責任がある。落ち着いて、宣言することなく、計画を組むんだ。EURO08のときのような状況になることは避けたい。あれは悪夢だった」と続けている。アベーテ会長が言っているのは、当時のロベルト・ドナドーニ監督の去就をめぐる雰囲気のことだろう。

14日に行われたオランダ代表との親善試合では、サンプドリアFWアントニオ・カッサーノの招集を求めるファンが、ピッチに乱入する事件が起きた。アベーテ会長はこのことについて、「こういったことを笑ってはいけない。似たようなことを増やす恐れがある。良いことではない」とコメント。カッサーノの招集については、次のように話している。

「リッピは意地になっているのではなく、確信があってカッサーノを招集していないんだ。カッサーノはEURO04や08のときに代表だった。連盟が評価していないわけじゃない。選手としてのクオリティーと、代表チームにおける機能性を考えなければいけないんだ。リッピは彼がチームに機能しないと考えている。それは尊重すべき評価であり、一人の選手の問題が代表チームの問題になってはいけない」