日テレ番組で「詐欺被害者」、実は弁護士の知人 /落合洋司弁護士

取材を受けていると、取材する側から、こういう案件で相談を受けたことはありませんか、紹介してもらえませんか、とといった問い合わせを受けることがあります。心当たりがあって、不適当でなければ紹介することもあり得るとは思いますが(もちろん、紹介される人の承諾は必要でしょう、私の場合はそういう紹介をしたことは今のところありません)、どういう事情があるにせよ、「知人の男女に被害者のふりをして取材に応じるよう依頼」するのは、完全にアウトでしょうね。

どういう事情があったかわからないので、あくまで一般論ですが、マスコミに露出したい、露出して名を売って知名度を上げたい、という意向が強すぎれば、売名のためやり過ぎる、というリスクを犯すことになりかねず、危険なことだと思います。取材する側は取材する側の都合で動いてきますが、つきあってあげられる部分と無理な部分があり、また、取材依頼があっても、わかることもあればわからないこともありますから、できる、できない、わかる、わからないという、適切な線引を自分なりにして対応しないと、他人に迷惑をかけることになり、また、自分自身の信用も失墜させてしまうことになります。弁護士で、マスコミを通じて知名度を上げたいと考えている人は少なくない(弁護士に限りませんが)と思われますが、注意して慎重に事を運ぶべきところでしょう。

引用:2013-07-19 – 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」