【12月1日 AFP】南米コロンビアの左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」は11月30日、先月に拘束していた政府軍准将ら3人を解放し、今後の和平交渉の中断を防ぐための「休戦」を政府側に呼びかけた。

 ルーベン・アルサテ(Ruben Alzate)准将とホルヘ・ロドリゲス(Jorge Rodriguez)伍長、グロリア・ウレーゴ(Gloria Urrego)顧問は先月16日、チョコ(Choco)県の民間のエネルギー開発プロジェクトの現場にボートで向かっていたところを拘束された。これを受け、フアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領は、FARCとの和平交渉を停止していた。

 同大統領は自らのツイッター(Twitter)アカウントで、アルサテ准将らが「完璧な状態で解放された」と発表。3人は天候が好転し次第、家族と再会する予定だと述べた。

 太平洋に面しパナマと国境を接するチョコ県のジャングル地域での人質引き渡しに際し、軍事作戦は停止された。

 サントス大統領は、2年前に始まり、50年にわたるゲリラ戦に終止符を打つ最良の機会とみられている今回の和平交渉を再開する条件として、人質解放を要求していた。

 しかし、FARCは人質解放後、キューバの首都ハバナ(Havana)から出した声明で、今後のような和平交渉の中断を防ぐためとして、コロンビア政府に対し休戦に同意するよう求めた。

 サントス大統領は、反政府側が休戦を利用して勢力を再編し戦争を長引かせる恐れがあるとの理由で、和平協定抜きの休戦を拒否してきている。

 FARCは、休戦のない状況下での捕虜の拘束は正当な戦争行為であると主張している。(c)AFP