【11月10日 AFP】米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)でアンソニー・ソーウェル(Anthony Sowell)容疑者の自宅から計11人の遺体が見つかった事件で、クリーブランド市長の姪(めい)が、数年間にわたってソーウェル容疑者の自宅で同棲していたことが明らかになった。死臭については、ソーウェル容疑者から「近所のソーセージ工場からの臭い」と説明されて信じていたのだという。

 ソーウェル容疑者の自宅内や自宅周辺からは、これまでに計11人の女性の遺体が発見されているが、クリーブランド市長の姪、ローリー・フレイザー(Lori Frazier)さんは、その家でソーウェル容疑者と暮らしていたという。

 フレイザーさんは、地元テレビのニュース番組で「(ソーウェル容疑者が)一体なぜこんなことをしたのか、まったくわからない」と語った。「(ソーウェル容疑者は)とても良くわたしの面倒をみてくれたし、家の中に死体があるなんて考えもしなかった」

 フレイザーさんとソーウェル容疑者の関係は、ソーウェル容疑者が05年に15年間の服役を終えて釈放された数週間後に始まったという。

 しかし、多量のドラッグを一緒に服用する習慣が嫌になり、フレイザーさんは1年前に、ソーウェル容疑者と別居した。

「何かの臭いはしたけど、階下の義母の臭いだって言われたの。それで、たしか義母がいなくなった後は、近所のソーセージ工場の臭いだと説明された」(ローリー・フレイザーさん)

 ソーウェル容疑者と関係を持ちながらも姪が生き延びたことについて、クリーブランド市長のフランク・ジャクソン(Frank Jackson)氏は、運が良かったと述べた。「姪は、おそらく、ほかの多くの犠牲者たちと同じ特徴を備えていたと思われる。姪はとても幸運だった」

 10月29日、性的暴行を受けたとの通報を受けた警察がソーウェル容疑者の自宅を捜索。自宅から女性の遺体が次々と発見され、事件は明るみになった。女性は、自宅に連れ込まれて強姦された上でひもで縛られ、意識を失ったあとで解放されたと訴えていた。検察は9日、強姦罪などでソーウェル容疑者を起訴した。(c)AFP