沖縄県那覇市にある“沖縄県民のシンボル”の首里城が10月31日に焼失した。再建に向け、都内の数カ所では募金箱を設置し、「私にもできることがあるのなら」と多くの人が募金箱に手を伸ばした。

東京・銀座にある沖縄アンテナショップ「銀座わしたショップ」では、お客様から募金をしたいという要望が多く、11月1日から募金箱を設置した。募金額は4日間で200万円を超えた。従業員の金城政彦さん(37)は3年間首里城でアルバイトをした経験があり、「寝ぼけているのか、現実かわからなかった」と混乱した。沖縄県外の出身者からの募金には「感動としか言えないです」と感謝した。毎日通った首里城は「あって当たり前だった。なくなってから気付く事が多かった」と再建を願った。

募金に参加した20代女性は「母が沖縄出身で、思い出深い大切な場所」。首里城がなくなった後、神奈川に住む母が落ち込んでいたそうで、「自分の分と、母に元気を出してもらいたいので送ろうと思って」と商品を楽しそうに選んだ。

東京・有楽町にある「沖縄観光コンベンションビューロー」では観光案内を主な事業としており、5日から募金箱を設置した。新本康二所長(44)は首里城がなくなっても県民の思いは受け継がれるとし、「今回のことが教科書に載るかも知れない。この現状をどう伝え、受け継いでいくかが大切です」と語った。

インターネット上でも募金ができる。日本航空グループでは11月7日17時から12月22日まで3000マイル(3000円相当)を1口としてマイル寄付を募集する。JALは1954年に沖縄へ就航しており長い関係がある。担当者は「沖縄県民の皆さまにとって首里城の存在は非常に大きく、その分深い悲しみとなっていると思います。1日でも早い復興の一助になりたいとの思いで実施させていただきました」と語った。

なお、募金箱を設置している2店舗の設置期間は決まっておらず、いずれも沖縄県の口座に寄付される予定だ。【佐藤勝亮】