コラージュ作家・岡上淑子の展覧会@東京都庭園美術館 | Numero TOKYO
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コラージュ作家・岡上淑子の展覧会@東京都庭園美術館

コラージュ作家の岡上淑子(おかうえ・としこ)による、展覧会「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」が開催されている。東京・目黒の東京都庭園美術館にて、2019年4月7日(日)まで。

『夜間訪問』 ©Okanoue Toshiko, 東京国立近代美術館蔵
『夜間訪問』 ©Okanoue Toshiko, 東京国立近代美術館蔵
1928年、高知県生まれ。写真媒体を活用したコラージュ作品で知られている岡上淑子。50年に、東京・御茶ノ水(当時)の文化学院デザイン科における授業課題をきっかけにしてコラージュ作品を制作するようになると、日本におけるシュルレアリスムの運動を先導した画家の瀧口修造(たきぐち・しゅうぞう)に見出され、その才能を開花。そして岡上は、マックス・エルンストによるコラージュの影響を享受して以降、56年まで集中的に作品を生み出している。
『幻想』 ©Okanoue Toshiko, 個人蔵
『幻想』 ©Okanoue Toshiko, 個人蔵

『マスク』 ©Okanoue Toshiko, 個人蔵
『マスク』 ©Okanoue Toshiko, 個人蔵

近年になり再注目されている岡上の作品は、今や国際的な評価を得ており、現代のコラージュ作家に多大なる影響を与えている。そして、このたび東京の公立美術館では初となる個展が開催。

コラージュ作品はもちろん、詩篇やスケッチ、作品のイメージの源泉となったドレスなども展示される。コラージュ作品に使われた素材は、戦後の連合国軍の置き土産である海外のグラフ雑誌や、ファッション誌。戦後復興期の報道写真と、当時最先端のモードの鮮やかな対比によって描き出された独特の美が、見る者の心を揺さぶる——。

会場となる東京都庭園美術館では、3月末に夜間開館を実施。新たな時代への息吹を感じさせる岡上の世界を、夜桜とともに楽しんでみてはいかが。

岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟

会期/2019年1月26日(土)〜4月7日(日)
会場/東京都庭園美術館
住所/東京都港区白金台5-21-9
開館時間/10:00〜18:00
夜間開館/3月29日(金)・30日(土)、4月5日(金)・6日(土)は20:00まで
休館日/第2・4水曜日
入場料/一般¥900
TEL/03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL/www.teien-art-museum.ne.jp/

Text : Manami Abe

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