ドイツ銀とコメルツ銀、初期の合併協議入り=関係筋

ドイツ銀とコメルツ銀、初期の合併協議入り=関係筋
 3月10日、ドイツ銀行の取締役会は、コメルツ銀行と合併の実現可能性に関する協議を実施することに合意した。写真は両行のロゴ。フランクフルトで2016年9月撮影(2019年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
[フランクフルト/ベルリン 10日 ロイター] - ドイツ銀行の取締役会はコメルツ銀行と合併の実現可能性に関する協議を実施することに合意した。事情に詳しい関係筋が9日、明らかにした。
同筋によると、ドイツ大手2行による最初の公式な協議はごく少人数で行われた。ドイツ銀の取締役会からは1週間以上前に協議を進めるよう委任を受けたという。協議は非常に初期段階にあるため、決裂する可能性があると続けた。合併協議については独紙ウェルト日曜版が先に報じていた。
ドイツ銀とコメルツ銀のそれぞれの広報担当者はコメントを差し控えた。
2行が合併する可能性については数カ月前から憶測が飛び交っていた。
合併の支持派は、合併後の銀行はドイツのリテール銀行部門で20%のシェアを握ることになると主張する。8日の株価終値に基づくと、合併後の時価総額は240億ユーロ(270億ドル)を超えることになる。
ドイツでは銀行サービスは無償あるいは低い料金で提供される傾向にあるが、合併後の銀行は大きなシェアを強みに値上げも可能になるとの見方がある。
ウェルト日曜版は、ドイツ政府は2行に対し、数週間内に合併に関して決定を下すよう求めており、2行は政府からの圧力に応じたと報じた。
独財務省の報道官は報道についてコメントを差し控えた。
政府はコメルツ銀株の15%超を保有。ドイツ銀の株価は過去5年間で73%急落している。
一方、ドイツ政府の当局者はロイターに対し、政府はドイツ銀の健全性について懸念するあまり、コメルツ銀との合併で大幅な資本不足に陥る可能性を認識しながらも、合併を強く要求したと明らかにした。
同当局者は、合併で銀行の所有者が変われば、国債など保有資産の評価額見直しが法的に必要となるため、数十億ユーロ規模の資本不足が生じる公算が大きいと指摘。評価額を見直す際は、通常は簿価より低い市場価格を反映させることになる。
別の政府当局者は、ドイツ銀は高いコスト負担で利益がほとんど出ていないため、先行きが疑問視されていたと説明。3人目の当局者は、飽和状態の市場で支店数を減らすために、合併が緊急に必要になっていると語った。
さらに別の関係筋は、両行は合併の可能性について数週間内に決定を下す見通しだと述べた。

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