2019.4.09印通寺便に新船が就航

 

新たに「ダイヤモンドいき」が就航

平成最後の節目に「フェリーあずさ」が終航

 

 4月1日から印通寺と唐津を結ぶ航路で、昭和62年に運航を始めたフェリーあずさに代わり、新たに「ダイヤモンドいき」が就航した。船内は、最上階甲板から船底の車両スペースまでの4階エレベーターのほか、身体障害者用トイレやバリアフリー対応など、高齢者や障害者が利用しやすい設備となっている。また、約32年間にわたり島民の足を支えてきたフェリーあずさの終航には、関係者や市民が集まり最後の出港を紙テープで見送った。

 

 新船「ダイヤモンドいき」は、県の船舶リプレイス制度を活用して建造された新造フェリーになる。県では、国の社会資本整備総合交付金を活用した「離島地域交流促進基盤強化事業」を推進。新船建造等に係る費用の全額を助成し、離島基幹航路などの運賃低廉化を図ることで、同航路間の運賃が2割引き下げられる。これにより島民の利便性の向上と、観光やビジネス客の交流人口の拡大が期待される。

 リプレイス事業により、フェリーあずさに代わる新船は平成28年から計画が始まった。フェリーあずさの運航は、昭和62年の開始から約32年が経つ。平成19年に就航した「エメラルドからつ」と設備等の差があり、同航路の格差は早急な新船導入が必要になっていた。

 ダイヤモンドいきの概要は、全長75・7㍍、幅13㍍、総トン数は932㌧。航海速力は約14・8ノット。旅客定員は350人で、乗客が横になれるフロアと座席室がある。またドライバー室も用意され、エレベーターで車両スペースにつながる。車両搭載台数は8㌧トラック15台、乗用車のみは43台となる。フィンスタビライザーを装備し、航海中の振動や騒音、横揺れの抑制強化など、安全で快適な船旅を実現するための様々な工夫が施されている。

 先月29日に、石田町農村環境改善センターで行われた就航記念式典で白川博一市長は「本船のバリアフリー化は、福祉健康のまちづくりを推進している本市施策と相通じるものであり、まさに時代のニーズに即応したフェリーだ」と祝辞を述べた。九州郵船(株)の竹永健二郎社長は「壱岐と佐賀県唐津との結ぶ絆がより一層深くなるよう、交流人口の拡大に努めていきたい」とあいさつした。

 最後の運航となるフェリーあずさは先月31日、午後6時20分に唐津東港を出港し、午後8時5分に印通寺港到着。港では市民や関係者が集まり、終船セレモニーで別れを惜しんだ。壱岐を午後8時20分に出港し、長きに渡る運航を終了した。フェリーあずさは今後、国外で引き続き航海を続けていくようだ。

最後の運航、フェリーあずさ