Azure Service Fabric for Windows Server の一般提供を開始

執筆者: Mark Fussell (ハイパースケール コンピューティング、主任プログラム マネージャー)

このポストは、9 月 26 日に投稿された Azure Service Fabric for Windows Server now GA の翻訳です。

 

今日の企業は、イノベーションの推進と信頼あるサービスの提供をバランス良く実現することが求められています。それには、企業の新たな成長分野を発掘するためのミッション クリティカルなアプリケーションをすばやく開発して、市場での存在感を高められるようにすること、そして、常に変化する顧客のニーズに対応できるようにすることが重要です。また、信頼できるシステムを構築することも欠かせません。アプリケーションがダウンすれば、企業の評判だけでなく、財務や顧客ロイヤルティにも大きなリスクが及びます。たとえば、オンライン バンキングや e コマース サイトは、どのブラウザーやデバイスやアプリからでも時間を問わずいつでもアクセスできることが当たり前になっています。こうした常時稼働に対する期待やニーズに応えられない企業は、競合他社にシェアを奪われかねません。こうしたことから、現在では高い可用性を備えた大規模なアプリケーションの開発と管理をクラウドで行う企業が増えているのです。

マイクロソフトの Azure Service Fabric は、クラウド規模のアプリケーション開発と管理のためのマイクロサービス アプリケーション プラットフォームで、開発者によるクラウド規模のアプリケーションの構築と管理を支援するために昨年リリースされました。

そして今回、Azure Service Fabric for Windows Server の一般提供が開始され、無料でダウンロードいただけるようになりました。お客様は Service Fabric クラスターを自社のデータセンターや外部のクラウド プロバイダーにプロビジョニングして、運用環境のワークロードを実行できるようになります。また、オプションとしてサポートを購入することも可能なため、とても安心です。Owners.com (英語) は、便利かつコスト効率よく住宅の売買を行えるオンライン プラットフォームを提供している企業で、Azure Service Fabric を活用しているお客様の 1 社です。

「Azure Service Fabric を自社環境にインストールし、堅牢で高いスケーラビリティを持つプラットフォームを実現したことで、非常に複雑なソフトウェアを簡単に管理できるモジュールの集合体として構築できるようになりました。サービス開発の手法を移行したことで、運用環境の厳しい SLA を満たしながら、ダウンタイムのない迅速な開発、テスト、デプロイを実現できるようになりました」。Owners.com、エンジニアリング担当ディレクター、Marion Denny 氏

マイクロソフトは 9 月前半に、プレビュー版 Service Fabric で Linux をサポートすることを発表しました。これにより、開発者が好きな OS を選び、Service Fabric アプリケーションを構築し、どの環境でも実行できるようにするというマイクロソフトのビジョンがさらに前進することになります。Service Fabric は 10 年近くにわたりマイクロソフト社内で実際に利用され、機能強化が繰り返されてきました。その中で、Cortana、Intune、Azure SQL Database、Azure DocumentDB、Azure インフラストラクチャといった非常にスケーラブルなサービスを支え続けています。また、Build 2016 で一般提供が開始されてからはお客様から多大な反響をいただき、採用いただくケースも大幅に増えています。

Azure Service Fabric を使用すると、Windows Server や Linux が稼働するマシンでクラスターを作成し、オンプレミス、クラウド プロバイダーを問わず、相互接続されたコンピューター群を含む環境で Service Fabric アプリケーションをデプロイして実行できます。Azure Service Fabric for Windows Server では、特にデータセンターでの Service Fabric の実行を目的とする Windows Server マシンにクラスターを作成できます。これにより次のようなメリットが得られます。

  • 既に所有しているデータセンターのリソースを使用して、クラウドに移行する前にマイクロサービス アーキテクチャをオンプレミスで開発できる
  • 外部のクラウド プロバイダーにクラスターを作成することもできる
  • Service Fabric アプリケーションは、最低限の変更 (または変更なし) で任意のクラスターにデプロイできる。アプリケーションを別のデプロイ環境に移動できるので、信頼性がさらに強化される
  • Service Fabric アプリケーション構築に関する知識や Service Fabric クラスターを実行、管理してきた運用経験を別のホスティング環境でも活かせる

Service Fabric は随時更新予定で、より多くのお客様にマイクロソフトの技術革新のメリットをアプリケーションの開発と強化に活用していただきたいと考えています。Service Fabric の詳細については、こちらのページをご覧ください。