浦和13年ぶりV!!狙うは3冠 赤備えの真田丸にカープ…16年は赤の年!!
「YBCルヴァン杯・決勝、G大阪1(PK4-5)1浦和」(15日、埼玉スタジアム2002)
浦和が1-1の延長戦からもつれ込んだPK戦でG大阪を5-4で下して13年ぶり2度目の優勝を飾り、優勝賞金1億円を獲得した。クラブにとっては07年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)優勝以来9年ぶりの主要タイトル。12年に就任したミハイロ・ペトロビッチ監督(58)にとって初のタイトル獲得となった。0-1の後半31分、FW李忠成(30)が交代出場からファーストタッチで同点ゴールを決めてMVPに輝いた。G大阪は昨年に続き準優勝に終わった。
長く、待ち焦がれた瞬間だった。浦和にとって07年のACL制覇以来となるタイトルは、12年に就任したペトロビッチ監督が初めて手にした栄冠だった。PK戦の死闘を制し、ベンチ前にできた歓喜の輪で、指揮官は選手、スタッフと何度も抱き合い喜びを分かち合った。
06年から率いた広島ではJ2とスーパー杯に優勝したが、浦和では昨季第1Sを制したのみ。天皇杯も含めた過去4度のカップ戦決勝は全敗と、一発勝負の弱さを露呈していた。
これまでは勝てなくとも、内容さえ良ければ大手を振っていた指揮官が変わった。今季初めにチームに対して「全ての大会で昨年を上回ろう」と声を掛け、ACLでベスト16に進出し、ルヴァン杯では頂点に立った。
14日のルヴァン杯前夜祭後には「浮かれるな。我々はまだ何も手にしていない」と手綱を締めた。ACL決勝トーナメント1回戦のFCソウル戦では選手任せにしていたPK戦の人選も、この日は自ら指名した。
優勝会見では「タイトルを取る前後で自分がベターな監督になったかというと何も変わっていない」と素っ気なく話したが、広島時代から指導を受けるGK西川は「今年に懸ける思いを感じた」。強く勝利にこだわり続けた必然の結果だった。
「絶対勝ってミシャ(ペトロビッチ監督の愛称)のサッカーを証明したかった」と西川は胸を張った。指揮官に念願のタイトルを贈った選手らに笑顔が絶えなかった。今季最初のタイトルを手に入れ、リーグ戦と天皇杯と合わせて3冠の可能性を残す。「この勝利に浮かれてはいけない」とDF槙野は表情を引き締めた。久々のタイトルを、常勝への礎とする。