シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

怒り

2017-10-16 | シネマ あ行

八王子でとある夫婦が殺害される。現場は血の海で、壁に犯人が血文字で書いた「怒」という文字が残されていた。犯人は整形して逃亡中。

千葉。家出して風俗で働いていた愛子宮崎あおいは父・洋平渡辺謙に見つけられ家に連れ戻される。愛子が家出した間に父の職場である港で働き始めた寡黙な男・田代松山ケンイチと愛子は魅かれあうようになる。

東京。ゲイで遊び人の優馬妻夫木聡は、ある日サウナで直人綾野剛という大人しい男に出会い、なんとなく一緒に暮らすようになるが、そのうちお互いが大切な存在となっていく。

沖縄。母親の都合で沖縄に引っ越してきた泉広瀬すずは友達の辰哉佐久本宝に無人島に連れて行ってもらい、そこで野宿生活をしている田中森山未来と出会う。

3人の素性の知れない男性。ニュース映像で流れる八王子事件の犯人と全員どこか似ている。この3人のうちの誰かが犯人ということか。と、思いながら見ていたんですが、途中から実は時系列がいじってあって、この3人は同一人物で犯人が転々と居場所を変えて逃走していっているということなのか?と勘ぐってしまったのだけど、「この3人のうちの誰かが犯人」ということで合っていたらしい。結局誰も犯人じゃないっていうのもアリなのかなぁと思いながら見ていたのですが、、、

3人全員がそれぞれの土地で知り合う人たちと交流して、その知り合う人たちはやがてそれぞれが八王子の犯人なのではないかと疑いを持ち始める。全員が知り合ったのが事件後で、その前に何をしていたのかはっきりしていないということから疑いが生じるのはしょうがない気もする。ニュースで公開される犯人の人相をうまく3人の役者に似せてあった。

すべての話がよくできているので、まったく飽きることなく見ることはできたのですが、最終的に犯人が分かる部分はちょっと納得がいかなかったな。犯人が誰だったかはここでは書かないでおきますが、なんかそれまで普通に良い人って感じだったのに後半に急変するのがついて行けませんでした。犯罪を犯す人でも一見良い人に思えるっていうのはあるかとは思うのですが、犯人を知っている人物が後半に現れて犯人の性格とかを語り始めるのですが、それと彼が全然一致しなくてどうも唐突感が否めない。始めのほうで警察が犯人のアパートを家宅捜査するシーンがありますが、その犯人像と彼を後半で急に合わせてきたという感じがしてしまいました。

そうそうたるメンバーが出演していますが、その中でも宮崎あおいの演技は群を抜いて上手いですね。彼女にはいつも感心させられますが、今回のちょっと普通とはずれていて(少し障害があるのかな)風俗で働くような女性ってさすがにミスキャストでは?と思っていたら、全然違和感がなくて本当にビックリしました。

そして、広瀬すずちゃんも光っていました。彼女は立ち姿だけですでに妙な風格が伴っていて、テレビサイズの女優ではなくて銀幕サイズの女優だなと感じました。すでに大物感が漂っていてこれからがめちゃくちゃ楽しみです。

誰が犯人かというサスペンスよりもそれぞれの人生のドラマを中心に見たほうが面白いかもしれません。



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1 コメント

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初めまして。 (師子乃)
2020-04-26 09:48:29
松山ケンイチが出てくるところ、気になりますね。

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