イタリアにはイングランドのようなスポーツ文化がない。プレミアリーグで首位を走るチェルシーの指揮官、カルロ・アンチェロッティ監督はイタリア『スカイ・スポーツ』に対し、イングランド代表のファビオ・カペッロ監督が「イタリアサッカーはウルトラスが動かしている」と語ったことについて、こう話している。

「私にはどうだか分からない。ファビオのコメントは聞いたが、イングランドで起きていることがイタリアと比べて確実に違うということは言わなければいけないね。ここには素晴らしいスポーツ文化がある。ファンは楽しむためにスタジアムへ行くんだ。暴力はないし、試合だからといって警官たちがいることもない。スタジアムはとても快適で、その点ではイタリアはイングランドより遅れている」

だが、アンチェロッティ監督はその差を埋めることができると考えているようだ。

「イングランドは80年代から大きく前進することができた。イタリアでも可能だと思う。特に、設備の点についてはね。ここのスタジアムは本当に美しいよ」

一方で、同監督はイングランドで指揮官を務めることが簡単だという見解に反論している。

「こちらの方が簡単だなんてことはない。仕事とその大変さは一緒ってところさ。ただ、仕事や環境に対するプレッシャーは、こちらの方が少ない。ここでは、サッカーをスペクタクルとして捉えている。騒動を起こすスピリットは無視されているんだ」

「チェルシーは信頼できるチームだよ。今年つくられたわけじゃないし、長年に渡ってトップを争っている。選手たちも非常に優秀だ」

また、古巣ミランに話が及ぶと、アンチェロッティ監督は賛辞を送った。

「ファンの熱意が戻ってきている。彼らは新しいアイドルを見つけつつあるんだ。アレシャンドレ・パトだよ。そして、アレッサンドロ・ネスタが戻ってきた。最高のシーズンを送る運命にあるのさ」

チェルシーは若手選手獲得時に違反行為があったとして、FIFAから補強を禁じられている。クラブはCAS(スポーツ仲裁裁判所)に異議を申し立てており、アンチェロッティ監督はこの件について、「何も言うことはできない。FIFAの決定を待っているところだからだ。あらゆる動きをする前に、待たなければいけない」とコメント。サンプドリアFWジャンパオロ・パッツィーニへの関心については、「彼はとてもよくやっているね。ただ、私が評価する選手たちすべてが来てしまったら、我々はチームを増やさなければいけない」と語った。

一方、セリエAに関しては、「彼らは完成された、とても競争力のあるチームだよ」と述べ、インテルが最強のチームだという見解を示している。ユヴェントスに対しては「最初のころの試合を見てとても気に入った。ローマ戦やラツィオ戦だね。それから、新しいメカニズムや新加入選手たちのために、立ち止まる時期があった。当然のことだ。たた私は、ユーヴェは最高のチームだと思っているよ」と話している。