これが日本のフォニックス?

クッ・アッ・トゥ → cat???c-u-t も、クッ・アッ・トゥ?日本のフォニックスはアメリカのと比べてルールが多い!
『あいうえおフォニックス』を公開して初めてわかったのですが、日本のネットや本で知るフォニックスは、アメリカの小学校で教わるフォニックスと、実はちょっと違います。

まずびっくりしたのは、日本のフォニックスにはルールがいっぱいあること。そして cat という言葉を教えるのに、クッ・アッ・トゥと分けるらしい、ということ。

(ということは、c-u-t も、クッ・アッ・トゥ?)
S は snake の sssssssssssss...
確かにアルファベットを習い始めた子供(文字を知らない幼稚園児)には、それぞれのアルファベットが表す基本的な音を覚えるため、このように↑教えます。

でもアルファベットがわかってきた小学校1年生ぐらいから習うフォニックスでは、cat はあくまでもcat。1音節(1シラブル)で発音して覚えるのが普通です。
『あいうえおフォニックス』ではなぜ c-a-t に分解しないのか。
どうして『あいうえおフォニックス』では c-a-t というふうに分解・再合成しないのか。

それは・・・

アルファベット1文字=1音節ではないから。

アルファベットを分解すると、さも「ひらがなは1文字=1音」と混同して「アルファベットも1文字=1音節」なんだという誤解を招いてしまいます。
ひよこは3音節だけど、chickは1音節
例えば、stir や owl

s-t-i-r o-w-l と区切ると余計にスティアとかオウルとローマ字読みしてしまいがち。音だけに集中して聞くと、スターとアゥル、実は意外に単純で簡単です。(どちらも1音節!)
► stir ► owl 

また、read(現在形)と head を考えてみましょう。
ea の読み方はそれぞれ「いー」と「え」。
► read ► head

もしフォニックスのルール「母音が2個続くときは最初の母音だけがアルファベットのように読む」が正しいなら、「head はヒードじゃないの?」と思いませんか?

例外の多いルールを覚えるのは、大変ですよね。
stretchedは9個アルファベットが並ぶけど、1音節
さらに、アルファベット1文字ずつ分解すると、英語らしいリズムで話しにくくなるということもあります。

英語のリズムというところで少し説明していますが、英語は、音節(音のまとまり方)が合ってないと、英語らしく聞こえないのです。

例えば「伸びた・ストレッチした」という意味の stretched 。なんとアルファベットは9文字ありますが、1音節!日本語の感覚でいくと、たくさん文字(アルファベット)がくっつくと、長い音になりそうですが、必ずしもそうではないんです。
read leaf east clean cheap / head bread spread leather thread
実際にアメリカの小学校では、単純に同じ音のアルファベットの組み合わせを集めてフォニックスとして習うことが多いです。ルールというルールもそんなにありません。(もちろん大学の言語学や音声学を勉強すればルールもありますが、子供たちはいちいち難しいルールを覚えて英語を読んでいるわけではありません。)

だからみなさんも、難しく考えないで大丈夫!英単語を分解して「ええっと子音と子音で e が付くから前の母音はどうなるんだっけ・・・」と分析しないでいいんです。

このアルファベットの組み合わせは、どういう母音になるんだろう、とまず楽しんで聞いてみてください。どういう音なのか、子供になったつもりで耳をすませてみてください。英語はスペルが難しくても、音は案外単純で簡単ですよ!
見てみようじゃなくて、聞いてみようだね!
ちなみにネイティブの人だって、アルファベットの読み方を間違えたり、発音しにくい単語があったりします。

例えば、サッカーのプレミアリーグ、2016年にLeicester City (レスターシティ)が優勝した時に、アメリカの人たちは Leicester をどう読んでいいのかわからなくてググっています。("Less”-ter でいけとツイートされています)

英語ってルールじゃなくて、そんなもんなんです。
『あいうえおフォニックス』が少しでも日本で英語を勉強する人たちの助けになりますように。ご質問あればいつでもご連絡ください