宇宙ホテルを2022年に開業へ、12日間10億円

少しずつ身近になっていく宇宙への旅

2018.04.10
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青い地球の上にのぼる朝日。国際宇宙ステーションから撮影。(PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA)
青い地球の上にのぼる朝日。国際宇宙ステーションから撮影。(PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA)
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 何かと騒がしい地球を離れて、宇宙に行きたいと思ったことはないだろうか? 4年後にはその夢が叶うかもしれない。

 米テキサス州ヒューストンに拠点を置くスタートアップ企業のオライオン・スパン社は、2021年までに、史上初となる高級宇宙ホテルを打ち上げる計画を発表した。「オーロラ・ステーション」と名付けられたその施設は、打ち上げ翌年の2022年から宿泊客を受け入れる予定だ。

 12日間滞在できるチケットの価格は1人950万ドル(約10億円)で、これは一晩につき79万1666ドル(約8500万円)の計算になる。(参考記事:「米スペースX、壮大な火星移住計画を発表」

地上320キロを周回

 オライオン・スパン社は、今はまだ未来の宿泊客(およびオーロラ・ステーション)を宇宙へ送り届ける打ち上げ業者との契約を交わしていない。過去には、民間人が2000~4000万ドルの往復代金を支払って国際宇宙ステーション(ISS)に行った例があるが、オライオン・スパン社創業CEOであるフランク・バンガー氏によると、打ち上げ価格が下落傾向にあるため、同社の旅はそこまで高額にはならないという。ぜひとも宇宙に行ってみたいという人は、今なら払い戻し可能な8万ドルの手付金を支払って、宇宙ホテルを予約できる。(参考記事:「『スター・トレック』がつくった未来」

「オーロラ・ステーションは打ち上げ後、すみやかにサービスを開始し、かつてないほど素早く、低価格で皆さんを宇宙にお連れします」。バンガー氏は声明の中でそう述べている。「我々の目標は、より低いコストでより高い価値を生み出し続けることによって、宇宙を誰もが行ける場所にすることです」

 地表から320キロ上空の地球低軌道(LEO)に打ち上げられる同ホテルは、プライベートジェットのキャビン程度の大きさで、全長13.3メートル、全幅4.3メートル、与圧容積は160立方メートル。国際宇宙ステーション(ISS)はこれに比べるとはるかに大きく、全長約109メートル、与圧容積約916立方メートルで、地球上空約400キロを飛行している。

 オーロラ・ステーションは完全モジュール方式の設計になる予定で、一度に6人が滞在でき、2人用のスイートルームが設けられる。6人の滞在者のうち宿泊客は4人で、2人のスタッフは元宇宙飛行士が務める見込みだ。ホテル設備は現在、ISSに携わったことのあるエンジニアの協力を得ながら、ヒューストンで建造中。ホテルで使用されるソフトウエアはサンフランシスコで開発中という。(参考記事:「スペースXの最新ロケット、ここがスゴイ」

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ギャラリー:息をのむほど美しいISSからの写真15選(画像クリックでギャラリーページへ)
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Photograph by Scott Kelly, NASA

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