きらく | 拾い読みあれこれ

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きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

「山科の里芋に勤修寺の煎じ茶して、楽み是に極めて、世にある人の栄花もうらやむ事なく、只年中を夢の如く、正月に餅もつかず、盆に鯖もすわらず、九月の節句ちかづけども、栗菊酒の用意もせず、取り集める掛銀もなく、人に済まする借銭もあらず、扨(さて)もかろき身体(しんだい)外(ほか)より見ての苦み、内証の楽介(らくすけ)各別(かくべつ)ぞかし」(西鶴、『西鶴織留』)

楽介(らくすけ)とは生活に苦労のない人間をいう。人と貸し借りをするような抜き差しならぬ関係はもたず、他人をうらやまず、気楽に苦労なく生きるのが最高かもしれんなあ。