五輪代表逃し「どん底に落ちた」松田瑞生…再起戦の名古屋「脱・腹筋女王」が日本記録更新を目指す
2021年3月9日 06時00分
◇名古屋ウィメンズマラソン連載「次世代日の丸バトル」第1回 松田瑞生(ダイハツ)
名古屋ウィメンズマラソン(中日新聞社など主催)が、14日にバンテリンドームナゴヤ発着で行われる。今夏の東京五輪マラソン女子代表は決定済みだが、今大会には2016年リオデジャネイロ五輪代表や、東京で補欠に回った実力者、そして24年パリ五輪を狙う次代のホープと、多士済々の顔ぶれが集結。42・195キロに懸ける有力選手の思いを紹介する。
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底抜けに明るいキャラクターに、こてこての関西弁。笑顔がトレードマークだった松田瑞生(25)=ダイハツ=が1年前、失意の涙に暮れた。2020年1月の大阪を快記録で制し、残り1枚となっていた東京五輪の代表切符を手中に収めかけたが、3月の名古屋で一山麻緒(ワコール)が国内最高記録を出して代表に決定。松田は補欠にとどまり、「どん底に落ちた」と言う。
支えになったのは家族、そして無数のファンの存在だった。「私はツイッターもインスタグラムもほとんど投稿していない。それなのに励ましのメッセージがめっちゃきた」。名古屋後にはツイッターのフォロワーが一気に3、4000人増。温かいメッセージの数々が、松田を再起へと突き動かしていった。
本来なら、過去2度走って2度優勝と相性抜群の大阪をマラソン再起戦とするはずだった。昨年11月の全日本実業団女子駅伝で背中を痛めて練習に狂いが生じ「1月の大阪に出たところで、2時間25分切りくらいでは走れても納得いくレースはできない」。2カ月後の名古屋へシフトチェンジした。
けがの功名か、松田は温暖な宮崎で走り込みを重ね「体はいい感じで締まっている。1年前の大阪の前より練習内容はいい」と手応えは上々。目標タイムには、国内の大会では前人未到の「2時間20分切り」をぶち上げた。「まずはペースメーカーのリズムにはまっていって。1人でしっかり走るイメージをしている」。独走になってもハイペースを維持するレースをイメージしている。
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