Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

「良い就職先」とはどこだろう

2009-12-28 14:58:44 | 採用
良い就職先について、ちょっとだけ考えてみた。

7,8年前、僕がまだサラリーマンをやっていた頃、後輩にそういった質問をされて、
(国際競争が無いから)その時は「新聞社」と答えたが、いまや斜陽産業の代表に
なってしまった。

5年ほど前、何かのインタビューで同じ質問をされた際は「テレビ局」と答えたが
TBSは数年前から新卒は別会社採用だし、日テレなんて新しい賃金規則に切り替えた。
(もちろん、賃下げが目的だ)

結局のところ、今後数十年間、この日本において安定的に成長するという会社は
ないのだろう。メディアのような規制産業なら潰れはしないだろうが、日本経済
自体がほとんどゼロ成長な以上、(どんなに弄ってもベースは年功序列なので)今から
入っても良い目は見られないはず。

ただし、こういう悲観的な視点は、「新人として日本型雇用の世界に入る」という
積み上げ式で考えたものだ。1年か2年ごとの短いスパンでの出来高払い式なら、
いくらでも割に合う働き方は可能である。
逆に言えば、これから社会で(やりがいにせよ報酬にせよ)そこそこのものを得ようと
思ったら、そういう出来高払い式で行かないとダメだろう。

そこで、これから社会に出る人には3つ選択肢がある。

1.出来高払い型
まず、一年目から年俸制のベンチャーや外資に行って勝負すること。
そこまで行かなくても、労組のないユニクロやリクルートなども悪くない。
個人的に労組がある会社は、中高年男性正社員に貢がされてポイされる可能性が高い
のでオススメはしない。

2.割り切り型
「正社員であるだけで幸せじゃないか」というようなモチベーションの人もいるだろう
が、日本企業の雇用環境は世界的に見て最悪なので、そんなところで一兵卒として
働くメリットなんてない。雇用保証だけが目的なら、田舎の市役所にでも行くといい。
自治労さまバンザイの民主党が国家破綻のその日まで、全力で守ってくれるはず。

3.有事即応型
渡邉氏の言うように、イニシアチブをとってキャリアを設計しておくこと。
要するに、転職しようがしまいが、何があっても対応できるように、市場価値を意識
して働くということだ。
もっとも、結局どこかの時点で(1)に転進しないと“終身雇用型サラリーマン”と
何も変わらないわけで、そう考えるとタイミングの違いにすぎないと言えるかも。

こう考えていくと、20代の分化はそれぞれのタイプで説明がつく。
戦コンや外銀に殺到するエリート学生は(1)に、“草食系”と呼ばれる若者は(2)に
該当するはずだ。(3)はもっと幅広く存在するが、極端なケースが“カツマー”だろう。

すべての人にとって先行き不透明な時代ではあるけど、少なくともどの道を行くか
選べる20代というのは恵まれているかもしれない。

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36 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひろや)
2009-12-28 15:18:42
総合商社ってどうなんですかね?取引の仲介するだけだったら、自社でやるだけの企業も増えてきている、といいます。商社が斜陽産業になる日は来るのでしょうか?
Unknown (柳生)
2009-12-28 15:27:07
ってか割り切り型の新卒学生1番多いと思いますよ。しかも自分達は負け犬路線なんだという負い目すら感じてない。むしろ自分達こそスタンダードなんだと誇り、他の道に進む者を変わり者と見る傾向があります。毎日楽しく過ごせればいい、という僕からすると彼らを見てそんな人生何が楽しいの?と突っ込みたくなります。本当にこういう意識が日本を駄目にさせてるのだと思います。


Unknown (クルックル)
2009-12-28 16:16:52
>>「良い就職先」

冗談抜きに介護じゃないですかね。
いきなり解雇される事も無いでしょうし、ここ数十年需要が確実にある。

ただ、給料が低いといわれますが、そこだけ諦めればいいんじゃないかと。
Unknown (ひろや)
2009-12-28 16:33:48
>極端なケースが“カツマー”だろう。
カツマーと一緒にされたら気持ち悪いという人も多いはず。あれは9割くらいの人が夢持たされて終わりという一種の新興宗教では?
地方では自民系を推す連合 (あ)
2009-12-28 17:44:55
サムスンとかはどうですか?
GEの真似してるらしいですよ。

ところで、城さんは自治労=民主と考えていらっしゃるようですが、地方首長選挙をみていればわかりますが、連合は自民系の与野党相乗り候補を推薦することが多いですよ。ひどい場合には民主系がたっていても自民系を推すことも結構あります。
Unknown (@)
2009-12-28 19:40:52
良い就職先を探すには今の日本ではすでに限界があるような気がしてなりません。何とか這いつくばって自分のいる会社を変えていく努力を地道にするのも手ではないでしょうか。

もちろん役員や社長に困ったマネジメント層がいると最悪ですが・・

政府や官僚など叩きやすい勢力を叩いて満足してるだけでは駄目な気がするのです。
江戸時代並みの意識 (X)
2009-12-28 20:29:32
割り切り型、あるいは有事即応型にみえる若い人の多くが、実際のところは封建的身分制的な錯覚を抱いているケースが多いのでは?という虞を感じます。
割り切り型が割り切っているのは、自分の「身分」に対してであって、「自分はあんまり高い身分ではないけど、どんなに働きが悪くても身分相応の決まった俸給が得られるべきだ」と思ってしまってる。
有事即応型も、キャリア設計と実績を上げる機会がリンクしておらず、能力を伸ばす→(自動的に)身分が上がる、という錯覚が無意識にあるタイプが多いのではないでしょうか。カツマーの場合も、教祖勝間氏自体が、その過去の経歴とはほぼ無関係な方法で(箔付け効果は別として)世に出てきたわけで、その世に出る方法自体が本来求めるべきキーのはず。
彼らの意識は日本社会の意識と言う現実に対応しており、進路は経済情勢という現実に対応しています。せっかく、進路がそれなりに現実に即したものであっても、意識が古いままでは、今の20代も今後の職業人生を誤る可能性が高いのではないでしょうか。
Unknown (通りすがりの学生)
2009-12-28 20:41:09
戦コンや外銀なんてそうそう入れるもんじゃないし。まあ有事即応するしかないよなあ。
カツマー? (Brown)
2009-12-28 21:59:32
勝間氏本人が池田信夫氏のブログのコメント欄で認めている(2008年の前半ごろ)ように、本人は池田信夫氏のブログの読者層より下の層を狙っています。
そして、最近の著書も内容がどうも変な方向の物が多いような気がします。
そんな著書でも絶賛するカツマーがいることを考えると、そういう人は自分でイニシアチブを取ってキャリア設計をするというよりも「この人にすがれば大丈夫」と考えてるだけじゃないでしょうか。
そう考えると、カツマーと呼ばれる人は3番有事即応型と2番割り切り型の中間あたりのどっちつかずに当てはまるような気がします。
上司との相性が問題です (ネモ)
2009-12-28 22:45:10
今年退職しました
高卒工員で平で終わりました
まずどのような会社でも上司と馬が合うかが
第1です
馬が合えば多少のミスでもOKです
合わなければボロクソです
馬の合う上司が現れるまでは適当に
仕事しましょう
2に成果主義でも同じ以上に上司がだいじです
ゴマをスレとは言いませんが
合う上司は大切です
1寸先は闇です
安定した会社はありますが
上がバカではツブレマス
塗料会社は安定しています