この本5冊―2009年下半期(文芸書)


上半期分はすでにやったので、下半期分を…。

  • 外国文学…1冊
  • 日本文学…1冊
  • 児童文学…1冊
  • 文学評論・研究…2冊

No. 書影 書名 著者 出版社 コメント
1. アルヴァとイルヴァ 『アルヴァとイルヴァ』 エドワード・ケアリー 文藝春秋 要するにシムシティ…セカイ創造ネタ。でも、ここで描写される架空の街エントーラはとっても魅力的(住人含め)。魅力的な世界に、ヒロイン二人の成長を絡めたとっても上質な大人向けの童話といえるかも。
2. 巴里祭 (1946年) (新潮文庫) 巴里祭(新潮文庫)』 岡本かの子 新潮社 かの子スゲェェェェと思わせる一冊。「混沌未分」ラストのような境地(ニルヴァーナ)を書ける作家が(男女含めて)現在いるだろうか…?
3. 水の伝説 『水の伝説』 たつみや章 講談社 秋月こおの別名義とは知らなんだ。そう知って読み返すと、主人公と親友の関係がムフフフ…だったり、神様方が超美形だったりとか。もっとも最近の児童文学はやたらと女性向けの描写が多いので、別に驚きゃしないが。
4. 小説の深層をめぐる旅―プルーストと芥川龍之介 『小説の深層をめぐる旅―プルースト芥川龍之介 吉田城 岩波書店 創作という名の作者の犯罪を暴く文学探偵…といった趣きだろうか。文学の草稿研究という黴の生えそうなマニアックな研究の面白さを、ここまで明快な言葉遣いで「書ける」ということに驚きを感じてしまう。
5. イギリス王政復古演劇案内 『イギリス王政復古演劇案内』 喜志哲雄(監修) 松柏社 王政復古演劇についてのガイド本。正直、王政復古演劇が単品で読んで「面白い」ものかどうかは微妙だと思うが、これを読むと面白く思えてしまうから不思議。そういう啓蒙書って大事だよな〜。