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三日坊主ブログ

ツイッターでの実況をまとめてみた―第一部

2009年12月04日 | ねこ
2009年12月2日、版元ドットコムの主催により電子書籍関連のセミナーが行われ、ツィッターで実況された。
http://www.hanmoto.com/news/2009/12/03/20091202-nyumon/

ハッシュタグでのまとめ
http://twitter.com/#search?q=%23hanmoto091202
上記をトゥギャッターでまとめられたもの
http://togetter.com/li/1386

上記のつぶやきを、さらに人力でまとめてみた。こういう場合著作権はどうなるのだろう。
お気づきの方がいらっしゃったらご指摘ください。





「版元ドットコム入門・電子書籍の状況から作り方売り方まで」

レジュメ
○電子書籍の制作と販売の実際(30分)  
 梶原治樹(扶桑社 デジタル事業推進チームマネージャー)  
 漆山保志(扶桑社 電子書籍担当)

○PC/iPhone/携帯での配信実例(30分)  
 鎌田純子(株式会社ボイジャー取締役 制作企画担当)

○.bookをinDesignから作ってみた(デモ)(20分)  
 山田信也(ポット出版 デザイナー)

○国立国会図書館のすすめる資料の電子化の構想と現状(20分)  
 田中久徳(国立国会図書電子情報企画室長)

○質問・意見交換(20分)




■第1部「How to電子書籍ビジネス」
扶桑社

梶原氏 我々出版社の立ち位置は何か? いま電子書籍で何をやっているのかを、この30分で説明していくのが参考になると思う。

梶原氏 扶桑社は雑誌・書籍を出版するフジサンケイグループ、芸能本も多数手がけている。ファッション誌、文芸誌、海外ミステリーなど幅広く手がけている。

漆山氏 電子書籍ビジネスについて。
 電子書籍とは=電子機器などディスプレーを利用した機器で読むことができる出版物。
 電子書籍には大きく2つ、ダウンロード方式とストリーミング方式がある。端末に残るか残らないか。2方法やっています。

漆山氏 電子書店業者、大手4社がある。NTTソルマーレ、パピレス、イーブックイニシアティブジャパン、ビービーエムエフ。
 電子取次業者、大きく3つ、ビットウェイ、モバイルブック・ジェイピー、デジブックジャパン 。

漆山氏 版元は売り上げの25%~50%にリターンされる。電子書籍サイトさんやプロバイダー、携帯キャリアさんによって変化していきます。

漆山氏 文字ものの制作費は1冊あたり数万円から、写真集1pあたり数百円から、コミック1pあたり数百円から。

漆山氏 制作時間は、1ヶ月から2ヶ月程度。ブックサーフィンがケータイ市場の9割を押さえて、配信している。

漆山氏 大体がコンテンツ→XMDF(Adobe)→PDForXMDF(文庫ビューワ)に配信されている。
 閲覧、ドットブック、PooDOK、TTVとか
 電子出版のジャンルは大きく分けると3つ。文字もの、写真集、コミック
 SPAは3つのジャンルまんべんなくやってる

■「ケータイ電子書籍の動向

キャリア別シェア。docomo64%、au28%、Softbank10%

漆山氏 NTT資料によると、音声通話は減少、パケット通信増加、パケット定額制が伸びている。
 電子書籍は、月間約19億円、年間約230億円。i-modeでの電子書籍の課金比率は「9%」金額にすると19億円。 ちなみに、音楽は「40%」 でも、電子書籍は「客単価が高い」のが特徴。
 課金種別は月額6割、個別4割。電子書籍はバランスがとれている。

漆山氏 電子書籍市場の特徴。2005年~2006年、PCとケータイが逆転。以降、PCは横ばい/下落気味、ケータイは伸びている。 2005年からケータイ向け配信が急上昇。この年に先行していたPC向けを逆転。

漆山氏 利用ユーザ傾向。20代男女が活発。客単価は高いが、懸念としてはユニークユーザが少ない。今後の課題。

漆山氏 ジャンルの偏りが激しく、PCでは62億、携帯電話では402億の市場である。電子書籍が読まれるのはコミックが6割。電子書籍を購入しているのが20代の女性が5.3%ともっとも高い。
電子書籍はコンテンツ市場の9%、そのうち90%がコミック。

漆山氏 読みたくなる工夫が重要で、特に携帯電話は小さいのでどうPRしていくか?
 若い女性がターゲットで、どう若い女性の暇つぶしをつくっていくかが重要である。メディアミックスを含めたコンテンツ開発を進めている。

漆山氏 確かにエロ(青年向けコミック、ティーンズラブ(TL)、ボーイズラブ(BL))主流でそれが売上のかなりの幅を占めているし、集客出来るので広告もそれで打つ。正直内側では脱エロ、脱グラが命題。

漆山氏 iPhone向けはまだやってない。扶桑社の優先順位は1億台普及している「ケータイ」だが、個人的にはiPhoneに注目。iPhoneへの可能性は捨てられない!新書の版元などとのコラボレーションで普及させたい!。

課題は5つ。
1、供給量をどう増やすか。
2、効率化・コスト削減。
3、自社電子書店・保有の可否。
4、版元の営業販促活動。
5、新たな売れ筋ジャンルの創出

漆山氏 弱まっている。これから出版社自ら営業していかなければいけない。
 出版社が、営業活動・販促活動を行う必要がある。

漆山氏 社内で電子書籍を事業として行うことを宣言し、牽引する部署、人員が必要。
 先日、とある大手出版社の事業開発の方と話をしていたら「どこの部署がやるんだ?」という話になり、一向に進まないと愚痴っていた。結局、出版社は「紙」神話から抜け出せないのかなあ?


■質問タイム

質問 定価の設定は? 

漆山氏 紙と同様にしている。ケータイ電子書籍の相場、文字ものは400から600円、コミックは1話50円。 市場動向にあわせて、分冊などしてボリュームゾーンに価格をあわせている。

質問 グループ内での横やりなどの問題は? (扶桑社グループとして) 

漆山氏 横連動は確かに必要。どちらかというと、絆が深まっていく方向。

質問 扶桑社のデジタル売上、扶桑社さんはまだ非公開。まだかなり低いが、これから増えるか、と。

漆山氏 扶桑社の電子書籍系の売り上げは、1桁億円? 
 出版全体が2兆円に対して、電子が400億。扶桑社的にも「なるほど」という感じ

質問 将来は著者と制作者がいて、お客様がいる。中間の取次業界は不要では?

漆山氏 中間業者は、仕組み上の問題で考えるとなくなる方向になる。ただし、電子だからといって編集機能はなくならない。これが出版社の存在理由になる。ただし、ケータイ小説はあっというまに売れてあっと言う間に衰退。作品と向き合うのが出版社の役割。

インターネットは対個人メディア。今後出版社や取次ぎは、今の役割から変化して行く?
ただし作者に対して作り方をサポートしたり、というのは必要。

結局、出版に関するノウハウを一番持っているのは出版社! 彼らが介入しなければ電子書籍市場は成長しない!
否、新しいデジタル版元が参入することで市場が活性化する

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