夏時間の庭 [DVD]
フォーマット | ドルビー, 色, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | ジュリエット・ビノシュ, ジェレミー・レニエ, オリヴィエ・アサイヤス, シャルル・ベルリング |
言語 | フランス語 |
稼働時間 | 1 時間 42 分 |
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商品の説明
誰にでも、思い出が輝く場所がある――<オルセー美術館開館20周年記念作品>
オルセー美術館全面協力のもとに製作された、家族の絆をめぐる物語。変化の時代に生きる、現代人の心に染み入る感動作。
パリ郊外、画家であった大叔父ポールの邸宅にひとり住む母エレーヌのもとに家族が久々に集まり誕生日を祝った夏の日、母は自分が死んだら家も大叔父の美術品コレクションもすべて処分するよう長男フレデリックに遺言する。その一年後、母が急逝し、3人の子供達には広大な家と庭、そして貴重な美術品が遺される。相続処理を進める中で3人が向き合うのは、想い出に彩られた家への愛着と現実とのジレンマ。そして母の想いだった……。
世代や時代が変わっても、母から子へ、また孫へと永遠に受け継がれていくものが確かにあるということを教えてくれる、三世代にわたる家族の物語。
【セル版 2枚組みDVD】
●Disc.1
・ 本編(102分)
・ 劇場予告編(2分)
●Disc.2
・ 特典映像1 〔ドキュメンタリー/美術品の解説(50分)〕
・ 特典映像2 〔メイキング・インタビュー(26分)〕
●環境に配慮した、紙だけを使用したエコ・パッケージ(リパック・トレイ)
特典映像の詳細:
【特典映像1】
ドキュメンタリー/美術品の解説
●劇中に登場する美術品の数々を、監督自らが映画の中での役割と起用の理由を説明
●当時のオルセー館長や学芸員が各作品を多面的に解説
●映画スタッフ(美術担当)や劇中のビノシュが演じた役のモデルとなった実際のデザイナーが演出上の秘話を語る
【特典映像2】
メイキング・インタビュー
●撮影時、製作現場の舞台裏
●オリヴィエ・アサイヤス監督のインタビュー
●ジュリエット・ビノシュのインタビュー
●シャルル・ベルリングのインタビュー
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : フランス語
- 梱包サイズ : 18.8 x 13.6 x 1 cm; 158.76 g
- EAN : 4523215038393
- 監督 : オリヴィエ・アサイヤス
- メディア形式 : ドルビー, 色, ワイドスクリーン
- 時間 : 1 時間 42 分
- 発売日 : 2009/11/28
- 出演 : ジュリエット・ビノシュ, シャルル・ベルリング, ジェレミー・レニエ
- 字幕: : 日本語
- 言語 : フランス語 (Dolby Digital 2.0 Stereo)
- 販売元 : 紀伊國屋書店
- ASIN : B002OC06HY
- ディスク枚数 : 2
- Amazon 売れ筋ランキング: - 111,881位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 10,666位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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私たちが世代を超えて「受け継ぐ」ということは、作品や骨董品といった外的な事物としてだけでなく、家族の中で培われた「価値観」や「習慣」ともつながるものとして考えられるべきだと、この映画は示唆しているように思う。
国宝級の美術品や建物の修復に際してさえ、請け負いを「入札」させるようになってしまった日本において、もう一度みなで考えてみるべき課題だと強く感じた。フランス映画独特の「特に起伏のない流れ」で描かれているものの、その映像美と役者の信憑性のある演技がこの映画を娯楽としても十分楽しめるものにしている。これも、「美術」を一般庶民にも親しめるものとして継承していこうとするフランスのお国柄が出ているのか・・・。
彼が残した貴重なコレクションたちとともにそこに一人で暮らす母
家族の中心としての存在感と求心力を持った母のもとに
バカンスを過ごすため集まってくる子供たちはそれぞれの事情を抱えていて、、、。
彼女の周囲に存在するモノ(アンティーク家具)たちひとつひとつが
語りきれないほどの物語を秘めている。
時を封じ込めたモノたち、、、。
美しい庭のある家で、母の死に向けて物語は静かに進行する。
その死もあっけないくらいに淡々と語られ、後半の遺産相続も含め、
起伏は少ないながら、テキパキとスピーディーな物語展開だった。
モノにピントを合わせるとヒトのドラマが語れず、
ヒトのドラマを語ると折角のモノが沈む。
惜しむらくはそんな印象がなきにしもあらず、
ジレンマは結局観客におしつけられてしまった。
モノたちを所蔵するオルセー美術館の肝いりで企画・製作されたとあっては
それも仕方ないかもしれないが、、、。
こうした状況は演技者にとってやりにくいものであったに違いない。
そんな中ジュリエット・ビノシュらの抑制の利いた演技はさすが、好感できた。
きらめくような庭の風景はもちろん、雨が降る中での兄弟の別れのシーン、
とりわけエンディング・ショットの流麗さには息を呑んだ。
エリック・ゴーティエの撮影手腕もさることながら
カイ・ユ・ド・シネマの評論家だったというオリビエ・アサイヤス監督の感性は素晴らしい。
亡くなった母の貴重な美術コレクションの遺産をめぐる3人のきょうだいの物語。特に胸躍るようなストーリーではないのだけれど、いわゆる「遺産相続」からわたしたちが受ける、欲にまみれ泥沼化した人間関係…みたいな雰囲気は一切ない。3人ともそれぞれ愛する人がいて、没頭できる仕事をもった、しっかりした大人たち。
みんなそれぞれ、家族との思い出の品として美術品を扱っていて、そこが見ててとても気持ちよかった。そしてそれらを売却するときも、諦めを含んだ寛容な心で対応して、そのお金でもっと自分の人生をいいものにしようと前向きな気持ちだったので良かった。
この映画の見所といえば、やはり何と言っても美術品やインテリア&エクステリアの美しさ。わたしはこの美しさのためだけにDVDが欲しいと思った! この家も庭も、わたしがずっと夢見ていたようなまさに理想の家!
大きな窓や、ゴミや本、ノート、花瓶、サビどめスプレー、コップ、電話。そうした生活の中のこまごまとしたものが、生き生きと魅力的に配置されてて、そこに住んでいる人の魅力をおしみなく表現していると思った。
わたしがもともとインテリアがすごく好きというのもあるのだけれど、家具屋の広告みたいじゃなくて、そこの住人の人柄を表すようなインテリアにはやっぱりグッときちゃうなあ。
この場所を見るだけでも十分に価値のある、まったりとした日曜の午後向けの映画だと思いました。
そういったことを強く感じました。
長年住み慣れたおうちについてもしかり。
その匂い、周囲の環境との調和に、慣れ親しんで、やはりこころの安らぎを求める生活空間なのです。
そういったものをそのまま永久に遺しておきたいという願望のきもちと、現実はキャッシュに困っているという実情のきもちのジレンマを描写しています。
この映画のストーリーは波風が少なく、どちらかといえば、過ぎ去っていく思い出の品の数々が消え去るように、ゆるいスロープでトーンダウンするような形であり、際立った落としどころはありません。
したがって、もの足りなさを感じますが、このドラマで伝えたいところは、多感でちょいワルな年ごろの孫娘がおばあちゃんの思い出に浸るところは、祖母から孫へと受け継がれた”品物ではなく、きもち”というものだと思います。
キッチンにはエロイーズ(お手伝いさん:イザベル・サドヤン)。
「また池へ? 危ないわ」 イレーヌ(エデイット・スコブ)と一緒にこの家のときを経てきた彼女は子供たちをしっかり見ている・・・(いろんなものを見てきた・・)この古い美しい家の中の、マジョレルの机や飾り棚にホフマンの棚、ルドンの装飾画、コローの絵。ドームの花器や、いつもイレーヌの好きな花を生けてきたブラックモンの花器・・・とともにエロイーズはこの家の時間をずっと見てきた。フレデリック(シャルル・ベルラン)、アドリエンヌ(ジュリエット・ビノシュ)、ジェレミー(ジェレミー・レニエ)・・・三人の子どもの頃から、彼らの父の早い死や、イレーヌと彼女の叔父の画家ポールのロマンス。。
この家の美術品の中で成長した三人は今、アドリエンヌはアメリカに、ジェレミーは中国に本拠地を移している。そんな彼らが久々に集う夏の庭でのイレーヌのお誕生祝いが、ほんとうのようなセリフの応酬と、シャンパン、サラダ、イレーヌへのプレゼント・・・の中に描かれる。
デザイナーのアドリエンヌの作ったカタログの表紙の文字やみんなの会話から、これがポールという(架空の、1950~60年頃活躍の)画家のものとわかり・・・彼がこの家のなんだったのか・・・イレーヌと三人の想い出の中から少しずつ「あぶり出し」のように姿を現しやがてポールの回顧展へと話が繋がる・・・そんな風な物語の作られ方。。
初見のあと・・・三人とその子どもたちの帰ったひっそりとしたイレーヌのブルーの部屋に、ポールの姿があったように錯覚してたけど、そういう幻想譚ではなく、彼らの普通の日常を時系をさわらず描いていたと再見。ブルーのシーンはイレーヌとエロイーズふたりの静かなシーンと確認。・・・けれど、アサイヤス監督は、目に見えないもの(記憶や時の重なりといったものかと思うが)も描いたと特典ディスクのインタヴューで語られるので錯覚もあってもいいのかも・・・
イレーヌは、この家と、美術館級の品である家具と絵画、ポールのデッサン帳などの遺産の処分とともに、彼女の中のポールの想い出を長男フレデリックに託す感じで話を切り出す。
<架空のポールの「存在感の元」とも言える、こういったデッサン帳などを作った画家の方たちの話も特典にありとても興味深かった。実際はもっと新しい時代・画風の画家(の設定)だが、デッサン類は印象派風に作ったという・・・。エリック・ゴーティエの映像が美しい光の中に人や家や庭を生き生きと映し出し、デッサン帳をパラパラめくって見せるシーンなど、ものがたりのリズムとその絵が溶け合ってとても美しい。>
長男フレデリックは、(遺産とそこに流れたときを)自分がそのまま引き継ぎ、引き渡して行きたく、子どものピエールとシルヴィにコローの絵について説明したりするが、海外に仕事を持つアドリエンヌとジェレミーにその意向はない(あまりフランスへ戻ってこられなく家を共有する意味もないし、それより分けて欲しいのだ)。
そういった、少し何かいくらかある家に起こりそうな話が、ポールの回顧展を済ませた後のイレーヌの死による、現実的で事務的な、お墓、お葬式・・・(名のあるポールなのでこういうことも絡んできてしまう・・)新聞記事へのアドリエンヌの憤慨や、(その気持ちのとてもよくわかる)フレデリックの号泣を交えて・・・やがて、遺産相続の話へと・・・OPから変わらない、皆の日常風景、自然なセリフの中での気持ちのやりとりで描かれている。さらに、美術館への寄贈に関して専門家(実際のオルセーの方々)の鑑定の様子などドキュメンタリ的な部分を含みながら相続の一部始終を語るといったものを作るのとても大変だろうと(ついつい)思ってしまうが、見ていて(そこに浮かび上がる人間模様のようなものが)たいへん面白いのだ。
フレデリックたちがイレーヌから受け継いだものは売却や美術品価値の高いものは美術館でその後を生きる、ということに落ち着く(が、美術品はどこにあるのがいちばん良いのか?という価値観に差があって、このあたりは映画の中ではフレデリックと妻の間で語られ、特典ディスクでオルセー館長やアサイヤス監督の考えを聴くことができる。
終盤、シルヴィと父フレデリックとの世代差を、二人の(少々平穏ではない口調の)セリフのやりとりなどと・・・もう全て取り払われガランとした「家」をそっと訪れるエロイーズのシーンに続き・・・シルヴィやピエール、彼らの大勢の友だちとのパーティのようすとを、(「タッチ」というより)ほぼドキュメンタリのような感じで見せたあと、美しい緑の庭の中を、おばあちゃん(イレーヌ)と大叔父さん(ポール)のことや、リヨンにあるというポールの「少女の絵」についてリシャール(シルヴィのBFらしい)に話す、何か別の映画の真ん中あたりを見てるような気のするシーンと・・・カランと流れる曲にて(この映画の)Fin 。