さすがトルトナーレ監督作品です。まったく予備知識なく観ました。少し重たい映画ですが、最新作の「鑑定士と顔のない依頼人」に通じるものがあります。
CGばかりの娯楽しかない昨今の映画にはなかなか無い、内容で引き込まれていく少しヒッチコックタッチもある映画でした。「鑑定士と顔のない依頼人」が好きな方はぜひ観てください。
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題名のない子守唄 [DVD]
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フォーマット | 色, ドルビー, 吹き替え, 字幕付き, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | クラウディア・ジュリーニ, ミケーレ・プラチド, ピエラ・デッリ・エスポスティ, ジュゼッペ・トルナトーレ, クセニア・ラパポルト |
言語 | 日本語, イタリア語 |
稼働時間 | 2 時間 1 分 |
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商品の説明
■ジュゼッペ・トルナトーレ監督が6年ぶりに贈る感動作!
■トルナトーレ作品に欠かせないエンニオ・モリコーネの音楽!
■イタリア・アカデミー賞(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞)主要全5部門受賞作品!
米アカデミー賞(R)イタリア代表作品選出
第1回ローマ国際映画祭 特別招待作品
第29回モスクワ国際映画祭 監督賞・観客賞受賞
ストーリー
心に深い傷を負い、過去に囚われたままの女イレーナ。今の彼女を支えているたったひとつの願い。それは生き別れた自分の子供を見つけだすこと。東欧の国から、ふたたび悲しい記憶にまみれたイタリアに舞い戻った彼女は、素性を隠して、ある裕福な家族のメイドとなり、やがてその家の一人娘テアとの間にほのかな愛情を育んでゆく。しかしイレーナの心に秘めた想いは、忌まわしい過去からの魔の手によって掻き乱されていくことになり…。
<映像特典>
・メイキング(約29分)
・オリジナル特報
・日本版劇場予告
・監督来日インタビュー
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語, イタリア語
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 83.16 g
- EAN : 4907953025875
- 監督 : ジュゼッペ・トルナトーレ
- メディア形式 : 色, ドルビー, 吹き替え, 字幕付き, ワイドスクリーン
- 時間 : 2 時間 1 分
- 発売日 : 2008/5/30
- 出演 : ピエラ・デッリ・エスポスティ, クラウディア・ジュリーニ, クセニア・ラパポルト, ミケーレ・プラチド
- 字幕: : 日本語
- 言語 : イタリア語 (Dolby Digital 5.1), 日本語 (Dolby Digital 2.0 Stereo)
- 販売元 : Happinet(SB)(D)
- ASIN : B00147TURM
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 75,587位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 2,527位外国のミステリー・サスペンス映画
- - 6,950位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2009年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「トルナトーレ監督」という先入観がありすぎると、
あまりにも作風が異なるので奇異に感じるかもしれません。
しかし、セル版のDVDに監督自身のコメントがあるように、
これは実際にありそうになった事件をヒントに得て脚本を手がけたそうです。
そう考えると、これは実際のイタリアの、私たち日本人が知らない現実を描いた物語、
と考えてもよいでしょう。
多少寓意に富みすぎるきらいはありますが、
そうでもしないとあまりにも過酷過ぎる。
主人公のイレーナの行動は全て裏目裏目に出てしまいます。
しかし信念にもにたわが子への愛情。
ただただ、側にいたい、という母親の愛。
これをサスペンスタッチで、時に残酷に(子役もよく頑張ってました)、冷酷でもありながら
温かみも感じさせるキャラクターを演じた主人公は素晴らしい。
ラストは少し希望を抱かせますが、それも過剰ではなく、あくまでも現実を見据えているかのようなかすかな笑み。
このような映画は久しぶりです。
何度も繰り返して見るには辛いですが、こういう映画もトルナトーレ監督が撮れたのだ、ということに脱帽してしまいました。
あまりにも作風が異なるので奇異に感じるかもしれません。
しかし、セル版のDVDに監督自身のコメントがあるように、
これは実際にありそうになった事件をヒントに得て脚本を手がけたそうです。
そう考えると、これは実際のイタリアの、私たち日本人が知らない現実を描いた物語、
と考えてもよいでしょう。
多少寓意に富みすぎるきらいはありますが、
そうでもしないとあまりにも過酷過ぎる。
主人公のイレーナの行動は全て裏目裏目に出てしまいます。
しかし信念にもにたわが子への愛情。
ただただ、側にいたい、という母親の愛。
これをサスペンスタッチで、時に残酷に(子役もよく頑張ってました)、冷酷でもありながら
温かみも感じさせるキャラクターを演じた主人公は素晴らしい。
ラストは少し希望を抱かせますが、それも過剰ではなく、あくまでも現実を見据えているかのようなかすかな笑み。
このような映画は久しぶりです。
何度も繰り返して見るには辛いですが、こういう映画もトルナトーレ監督が撮れたのだ、ということに脱帽してしまいました。
2016年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
複雑な気持ちにさせられました。トルナトーレ監督は数奇な人生の主人公が多いですね。でも、全てとても丁寧な作品ですね。
2008年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画自体は久々に見ごたえのあるサスペンスで、コッテリギトギトなのにさっぱり爽やかという実に個性的な贅沢な1本です。勿論映画は星5つです。ただ今時このような芸術的な香りさえ漂う映画を見ていて、裸のシーンになるともやもや湧いてくるボカシにいらいらさせられるのはちょっと・・・。
最近出た“アメリカンジゴロ”のソフトではリチャード・ギア様でも股間の間にぶらぶらさせているというのに・・。これってこの販売会社の自主規制なんでしょうか?なんだかなぁ。
最近出た“アメリカンジゴロ”のソフトではリチャード・ギア様でも股間の間にぶらぶらさせているというのに・・。これってこの販売会社の自主規制なんでしょうか?なんだかなぁ。
2011年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
軽い気持ちで見始めたことに非常に後悔を覚えました。
映画の冒頭でイメージしていたものと違う(?)と混乱しました。
イレーナの過去の一部だったんですね。その後もフラッシュバックが何度も入ります。
最初、このフラッシュバックがどう繋がって行くのか解らず??っとなりましたが、それがイレーナの謎めき加減を増幅させ、良い意味で緊張させられます。
テアとの束の間の幸せな日々は、手に入れる過程も手に入れてからも生半可な愛情では成し得ないことだらけで、いかにイレーナの母性愛が強いかを映し出しています。
そして忌まわしい過去からの追撃が始まり、ミステリアスな雰囲気からサスペンスへ…物語は加速します。
イレーナは救いようの無い絶望の底まで落とされてしまいますが、ラストはすべての重荷から開放されるような、爽やかで温かいシーンでした。
テーマの重さに徐々に気づかせ、しかし後に残さないという構成はまさに秀逸。
イチゴを食す美しくも儚いシーンや、俳優たちの言葉ではなく表情で語る表現力など、見逃せないシーンが沢山散りばめられています。
あぁもっと真面目に真摯な気持ちで見始めればよかった…
映画の冒頭でイメージしていたものと違う(?)と混乱しました。
イレーナの過去の一部だったんですね。その後もフラッシュバックが何度も入ります。
最初、このフラッシュバックがどう繋がって行くのか解らず??っとなりましたが、それがイレーナの謎めき加減を増幅させ、良い意味で緊張させられます。
テアとの束の間の幸せな日々は、手に入れる過程も手に入れてからも生半可な愛情では成し得ないことだらけで、いかにイレーナの母性愛が強いかを映し出しています。
そして忌まわしい過去からの追撃が始まり、ミステリアスな雰囲気からサスペンスへ…物語は加速します。
イレーナは救いようの無い絶望の底まで落とされてしまいますが、ラストはすべての重荷から開放されるような、爽やかで温かいシーンでした。
テーマの重さに徐々に気づかせ、しかし後に残さないという構成はまさに秀逸。
イチゴを食す美しくも儚いシーンや、俳優たちの言葉ではなく表情で語る表現力など、見逃せないシーンが沢山散りばめられています。
あぁもっと真面目に真摯な気持ちで見始めればよかった…
2018年9月19日に日本でレビュー済み
一言でいうなら性奴隷の過去をもつ一人の女性が、自分の子供を探し求めるストーリー。
サスホラとは違い、あくまでもヒューマン・ドラマが強いサスペンスとして評価できる。冒頭から全裸の女性が商品のように扱われているが、実際に惨いシーンは女性がフラッシュバックを起こす時に現れる程度だ。
同性として見るのが辛い場面も多いが、彼女が何を求め、どう生きていくか?に焦点が当てられているので感情移入しやすい。
前半の闇雲に見える職探しも、実の子かもしれない娘の為に、あえて選んだ行動であることが伺える。ベビーシッターとして働きながら、我が子の有無を探そうとする姿勢は、子をもつ親なら理解を得そうだ。
ベビーシッターの相手になるテアが養子と分かるや否や、女性はテアのトラブルが起きると、手荒なやり方(虐待か?と思うぐらい)で我が身を守る術を教えたり、懸命なまでにテアに入れ込む。だが、ブラックの世界に果てはない。追われる者と、追う者が徐々に現実のものとして目の前に飛び込んでくる。
次にどうなるのか?。その引っ張り感が不自然でなく、むしろ上手い演出だ。
フラッシュバックのシーンも日常が全て悪夢に見える描き方は忠実なまでに、リアリティがある。体感として疑似体験できるほど。
ラストへ向かうにつれ、どんどん最後が気になってしまう不思議さがある。
ストーリー自体は重すぎる内容だが、最後まで見ると、不思議に1つの良質なドラマを見終わった爽快感さえあるのが凄い。
ひょっとすれば、隠れていた秀作なのかもしれない。出来すぎ的なシーンもあるが、やはりヒューマン・ドラマの完成度が高く「絵に書いたようなハッピーエンド」とは一味違う。この映画の最大の魅力は、見終わった後の余韻が良いということだ。
哀愁でも、喜びでもなく「これからの人生」を想像させてくれる未来を予感させる。
幸せは千差万別だが、その方が人間にとっては救いになり、生きるために必要な多様性を見いだすのだろう。
ただ、やはり長い。丁寧なのは良いが、こういうタイプの長く感じる映画は、特に集中力に限界を感じる。
映画自体は良質なのだが、重いテーマは長すぎると視聴者側がしんどいだけになり、かなりマイナスになる気がした。
故に星は1つ減らしました。
良い作品には良くある減少なのも確かなんだが、非常に惜しい気持ちにもなってしまう。
サスホラとは違い、あくまでもヒューマン・ドラマが強いサスペンスとして評価できる。冒頭から全裸の女性が商品のように扱われているが、実際に惨いシーンは女性がフラッシュバックを起こす時に現れる程度だ。
同性として見るのが辛い場面も多いが、彼女が何を求め、どう生きていくか?に焦点が当てられているので感情移入しやすい。
前半の闇雲に見える職探しも、実の子かもしれない娘の為に、あえて選んだ行動であることが伺える。ベビーシッターとして働きながら、我が子の有無を探そうとする姿勢は、子をもつ親なら理解を得そうだ。
ベビーシッターの相手になるテアが養子と分かるや否や、女性はテアのトラブルが起きると、手荒なやり方(虐待か?と思うぐらい)で我が身を守る術を教えたり、懸命なまでにテアに入れ込む。だが、ブラックの世界に果てはない。追われる者と、追う者が徐々に現実のものとして目の前に飛び込んでくる。
次にどうなるのか?。その引っ張り感が不自然でなく、むしろ上手い演出だ。
フラッシュバックのシーンも日常が全て悪夢に見える描き方は忠実なまでに、リアリティがある。体感として疑似体験できるほど。
ラストへ向かうにつれ、どんどん最後が気になってしまう不思議さがある。
ストーリー自体は重すぎる内容だが、最後まで見ると、不思議に1つの良質なドラマを見終わった爽快感さえあるのが凄い。
ひょっとすれば、隠れていた秀作なのかもしれない。出来すぎ的なシーンもあるが、やはりヒューマン・ドラマの完成度が高く「絵に書いたようなハッピーエンド」とは一味違う。この映画の最大の魅力は、見終わった後の余韻が良いということだ。
哀愁でも、喜びでもなく「これからの人生」を想像させてくれる未来を予感させる。
幸せは千差万別だが、その方が人間にとっては救いになり、生きるために必要な多様性を見いだすのだろう。
ただ、やはり長い。丁寧なのは良いが、こういうタイプの長く感じる映画は、特に集中力に限界を感じる。
映画自体は良質なのだが、重いテーマは長すぎると視聴者側がしんどいだけになり、かなりマイナスになる気がした。
故に星は1つ減らしました。
良い作品には良くある減少なのも確かなんだが、非常に惜しい気持ちにもなってしまう。
2015年3月3日に日本でレビュー済み
長距離バスから降り立った女性イレーナ。彼女はある高級レジデンスの向かい側のアパートに部屋を借りる。そのレジデンスで清掃員の仕事を得た彼女は、ある家族の住む部屋を窓越しから見つめる。その横顔に凄惨な過去を隠しながら…。
冒頭から、謎めいたヒロインが不可思議な行動をしていく。いったい彼女の目的は何なのだろうか。彼女の背負っている過去はいかなるものだろうか。そうした問いを観客に抱かせながら進んでいくミステリー。
過去の回想を挿入する手際が見事。万引きしたと誤解されて受けたボディデェック。車の運転中の揺れ。起こりうる平凡な日常のワンシーンに、凄絶な記憶のフラッシュバック。はじめはほんの断片のみですが、そのぶん観る者は好奇心をくすぐられ、彼女の過去を知りたいという欲求が刺激されます。そして徐々に彼女の惨たらしい過去が解き明かされ、最後に彼女につきまとう陰惨な影の正体が暴かれたとき、胸をしめつけられる苦しさを味わざるをえません。
イレーナが防衛本能に欠陥がある実の我が子を、涙ながらに訓練するシーンは本当に痛ましい。少女を床に叩き付けるとき、少女に罵声を浴びせられたとき、イレーナの悲しみとやるせなさの浮かぶ表情が胸をうつからです。その結果、彼女の悲壮なまでの愛情は少女にも伝わり、二人は固い絆で結ばれる。「母性」というものの強さをかいま見た気がしました。
外国人労働者の問題や、国家間の貧富の差が引き起こした悲劇の物語。多くの美辞麗句に隠蔽された、グローバリズムの一つの「現実」を突きつけられる作品でした。
物語の舞台となるのは、北イタリアのアドリア海に臨む港町トリエステ。その地で生まれた詩人ウンベルト・サバが故郷を詠った詩が本作を象徴しています。
トリエステには、棘のある美しさがある。
たとえば、酸っぱい、がつがつした少年みたいな、碧い目の、
花束を大きすぎる手の少年、嫉妬のある愛みたいな。
ウンベルト・サバ『トリエステとひとりの女』(須賀敦子・訳)より
冒頭から、謎めいたヒロインが不可思議な行動をしていく。いったい彼女の目的は何なのだろうか。彼女の背負っている過去はいかなるものだろうか。そうした問いを観客に抱かせながら進んでいくミステリー。
過去の回想を挿入する手際が見事。万引きしたと誤解されて受けたボディデェック。車の運転中の揺れ。起こりうる平凡な日常のワンシーンに、凄絶な記憶のフラッシュバック。はじめはほんの断片のみですが、そのぶん観る者は好奇心をくすぐられ、彼女の過去を知りたいという欲求が刺激されます。そして徐々に彼女の惨たらしい過去が解き明かされ、最後に彼女につきまとう陰惨な影の正体が暴かれたとき、胸をしめつけられる苦しさを味わざるをえません。
イレーナが防衛本能に欠陥がある実の我が子を、涙ながらに訓練するシーンは本当に痛ましい。少女を床に叩き付けるとき、少女に罵声を浴びせられたとき、イレーナの悲しみとやるせなさの浮かぶ表情が胸をうつからです。その結果、彼女の悲壮なまでの愛情は少女にも伝わり、二人は固い絆で結ばれる。「母性」というものの強さをかいま見た気がしました。
外国人労働者の問題や、国家間の貧富の差が引き起こした悲劇の物語。多くの美辞麗句に隠蔽された、グローバリズムの一つの「現実」を突きつけられる作品でした。
物語の舞台となるのは、北イタリアのアドリア海に臨む港町トリエステ。その地で生まれた詩人ウンベルト・サバが故郷を詠った詩が本作を象徴しています。
トリエステには、棘のある美しさがある。
たとえば、酸っぱい、がつがつした少年みたいな、碧い目の、
花束を大きすぎる手の少年、嫉妬のある愛みたいな。
ウンベルト・サバ『トリエステとひとりの女』(須賀敦子・訳)より
2017年5月12日に日本でレビュー済み
ブックオフで100円で買ったせいか、まったく期待してなかったが、心臓ばくばくで目が離せなかった。表紙は人間ドラマで中身サスペンス。あーおもしろかった。海の上のピアニストの3倍おもしろい。やっぱ映画はあらすじ見ないで無から観るのが一番らね。3年前買っといてよかったー