イザヤ・ベンダサンとかポール・ボネとか

http://anond.hatelabo.jp/20100130155001
ガメ・オベール氏がブログを削除したらしい。id:Apeman氏に「偽造」を指摘されての結果らしいが、どちらも嫌いな私は両者が潰しあうのは大歓迎である。もっとも、ガメ・オベール氏は「潰しあう」レベルには全然達していなかったようだが。
増田氏と同様に私もガメ・オベール氏が偽外国人だと目算をつけていたが、理由もやはり日本語力と英作文であった。本当にごく稀に、日本語ネイティヴレベルに達する日本語を書く外国人もいるので、一概にそれだけで「嘘」とははねつけられないが、ドナルド・キーンにさえ改行が少ない等の洋臭が残っているものだ。
中国人や中国語環境で育った中国系人なら稀にそのレベルに達する人を見たことがある。アングロサクソンでは更に極めて稀、CIAレベルだろう。ただ、CIAならネイティヴに協力者を仰ぐはずである。それくらい、ネイティヴレベルの文章を書くことは困難であり、それを養成しようとするのは不合理である。
ある程度、上達すると「お上手ですね」とか「ネイティヴレベルですよ」とか、英語でも「Awsome! Excellent!」とか言われるのでたまにそれを真に受けるおめでたい人もいるが、もちろん世辞に過ぎない。
イザヤ・ベンダサンポール・ボネと言った偽装外国人がこの国では論壇に地位を占めていたことがあった。書き手として偽装外国人となる利点は、外国人であるというだけで、情報格差を利用できるというのがまずひとつある。
フランス人に「おフランスでは」とか言われると、一般の日本人にはまずその真偽を見分ける情報がない。膨大な知識のデータベースを背後にした圧倒的かつ脅迫的な知識強者の立場を手に入れることが出来る。
そしてそれを利用して、国際水準の常識を装うことも出来る。
普通に考えればアメリカ人やフランス人にも様々な見解があって当たり前なのだが、その情報にアクセスする手段が一般の日本人には無いために、個人の偏った見方を全称命題にして合理化してしまうのである。それが偽装外国人の思う壺である。
山本七平藤島泰輔のような保守派がこれまでこうした偽装外国人戦略を利用し、「日本ノリベラルハオカシイデス」戦を展開して大受けしたわけだが、同様のことは今後も、ありとあらゆる党派で起こり得ることだろう。