前回でメディア記者の暴走を指摘しましたが、
割り箸事件でのメディアの暴走ぶりが明らかになる記事を見つけました、
以前より参考にさせて頂いてます。
「産科医療のこれから」より
http://obgy.typepad.jp/blog/2010/03/post-1341-2.html
日経メディカル1月号の記事です。
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割りばし事件報道にBPO勧告 長い戦いに「一応」の区切り
(Nikkei Medical 2010.1 P157)
上尾中央総合病院(埼玉県上尾市)耳鼻科 根本英樹
日大通信教育部(法学部) 准教授 根本晋一
私たちは、1999年7月に起きた「杏林大割りばし事件」の時の担当医とその実兄です。
本件は、男児が割りばしを口にくわえて転び、その割りばしが脳に達して亡くなった不幸な事故です。救急車で運ばれた男児の初療をし、診療の過失の有無が問われました。一連の訴訟では無罪、請求棄却となり、担当医に過失がないことが認められました。
これに関連して放送倫理・番組向上機構(BPO)は2009年10月末、TBS「みのもんたの朝ズバッ!」の本件関連報道に対し、「重大な放送倫理違反」を勧告しました。本稿では、その経緯を紹介します。
この事件は、発生当時から様々な報道がされましたが、その内容は例外なく担当医の非難でした。とりわけ担当医批判に熱心だったのが、ある女性ジャーナリストと、このジャーナリストと深く接していたTBSでした。
ちなみに、このジャーナリストは担当医やその親族、弁護人を一度も取材していません。
捜査記録を見る前から思い込みと憶測で架空の事実をつくり、担当医を中傷したのです。
例えば、杏林大は患児死亡直後に異状死の届け出をしましたが、「本件は救急隊員の証言で発覚した」と、まるで同大が事故を隠蔽したかのような発言をしたほか、剖検所見を見ないと分からないはずなのに、「担当医に過失があるといってよいだろう」と断定しました。
TBSのある男性記者は、この女性ジャーナリストと連携して取材をしていました。
男性記者も、「割りばしが脳に刺さったことを知っていたのではないか」「患児の両親は杏林大から謝罪がないとしているが、謝罪する考えはあるのか」など、杏林大に挑発的な取材依頼をしてきました。
杏林大は男性記者の取材事項に沿って回答しましたが、その後のTBSのニュース番組は、回答書の内容を一顧だにしない(回答した事実すら言わない)、遺族側の言い分に偏った内容でした(99年8月時点)。
私が書類送検された2000年7月、多くのテレビ局が匿名としたのに対し、TBSは実名を報道しました。
TBSが執拗かつ不公平だったので、私の両親(父親は弁護士・元第二東京弁護士会人権擁護委員長・故人)は同年8月、BPOに人権侵犯救済を申し立てました。この際、BPOは解決の仲介をしましたが、TBSは申立人らの話を聞くだけで解決策を示しませんでした。
一方、女性ジャーナリストや市民団体関係者に対しては、05年に名誉毀損で提訴しました。結果は4件の訴訟のうち3件が和解、1件は敗訴。
裁判所は和解の際に女性ジャーナリストに「今後は資料をよく調べてから十分注意して書くこと」という条件を付しました。
その後、刑事・民事訴訟で担当医の無罪や請求棄却が決定し、今度こそ正確に報道されると期待していたところ、TBSはまたも「みのもんたの朝ズバッ!」で私たちを取材せず、計2回(06年3月の刑事第一審判決時、08年2月の民事第一審判決時)、問題の女性ジャーナリストを専門家に招き、みの氏と2人で誹謗中傷を繰り広げました。
みの氏は、「(杏林は真面目に)取り組んでいないから、こういう事故が起きて(患児は)死んじゃったんじゃないか!杏林の姿勢を僕は疑う」
「素人でも脳に損傷があると考える」
などと発言し、
女性ジャーナリストも、
「この程度の医療水準で許されるのなら、真剣に頑張っている多くの医師はプライドを傷付けられる」
などと語り、判決を読んでいるとは到底思えない、事実誤認の無責任トークを展開>しました。
無実なのにまだ言うのかと、その執拗さと内容のずさんさに呆れ、私たちは09年5月に再びBPOに人権侵犯救済を申し立てました。
BPOも今度は審理に乗り出しました。ところが、TBSは私たちの申し立てに対し、「医療機関には最善の注意を尽くしてもらいたいという思いで放送した」「客観的事実を超えた思いがあることが分かった」など、人権感覚に欠けた責任感のない答弁に終始しました。
半年間の審理の後、BPOはTBSに「重大な放送倫理違反」があることを認めました。この決定は、ADR(裁判外紛争解決手続)としてのBPOの審理規定で最も責任が重い勧告です。
これにより、私たちの社会的評価が直ちに回復するわけではありませんが、不正確な報道に反論する機会となり、その結果がBPOの記者会見という形で周知された意義は大きいでしょう。私たちは、マスコミとの長い苦しい戦いに「一応」の区切りをつけられました。理不尽な報道に疑問を呈して他界した亡父も喜んでいると思います。
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・・・と、怒りの赤強調大文字だらけで、読みづらくなってすみませんorz
しかしどうして碌に取材もせずに記事を書いて、裁判で判決が出てもTVで不服を口にするんでしょうか?
ちなみにこのBPOの勧告内容は以下に公開されています。
http://www.bpo.gr.jp/brc/decision/041-050/041_k_tbs.pdf
これに出てくるコメンテーター油井氏とは、こういった本を書かれているようです。
「医療事故―医者の奢り患者の怒り」
私は読んでいませんが、カスタマーレビューの評価は星1.5
他に医療紛争をネタに本を書かれているようですが、
そういった方が評論家としてTVで話して、BPOに引っかかったという結果をみれば、
その著書で一体どのようなことを書かれているのかは、想像に難くない事です。
今度は私が、
「報道被害ー記者の奢り医者の怒り」とでも書きましょうか(書きませんけどねw)
ま、いちいち今更謝罪しろだとか反省しろとか書いても無駄なことなので、
最近の流行語で締めておきます。
Shame on you、TBS!
割り箸事件でのメディアの暴走ぶりが明らかになる記事を見つけました、
以前より参考にさせて頂いてます。
「産科医療のこれから」より
http://obgy.typepad.jp/blog/2010/03/post-1341-2.html
日経メディカル1月号の記事です。
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割りばし事件報道にBPO勧告 長い戦いに「一応」の区切り
(Nikkei Medical 2010.1 P157)
上尾中央総合病院(埼玉県上尾市)耳鼻科 根本英樹
日大通信教育部(法学部) 准教授 根本晋一
私たちは、1999年7月に起きた「杏林大割りばし事件」の時の担当医とその実兄です。
本件は、男児が割りばしを口にくわえて転び、その割りばしが脳に達して亡くなった不幸な事故です。救急車で運ばれた男児の初療をし、診療の過失の有無が問われました。一連の訴訟では無罪、請求棄却となり、担当医に過失がないことが認められました。
これに関連して放送倫理・番組向上機構(BPO)は2009年10月末、TBS「みのもんたの朝ズバッ!」の本件関連報道に対し、「重大な放送倫理違反」を勧告しました。本稿では、その経緯を紹介します。
この事件は、発生当時から様々な報道がされましたが、その内容は例外なく担当医の非難でした。とりわけ担当医批判に熱心だったのが、ある女性ジャーナリストと、このジャーナリストと深く接していたTBSでした。
ちなみに、このジャーナリストは担当医やその親族、弁護人を一度も取材していません。
捜査記録を見る前から思い込みと憶測で架空の事実をつくり、担当医を中傷したのです。
例えば、杏林大は患児死亡直後に異状死の届け出をしましたが、「本件は救急隊員の証言で発覚した」と、まるで同大が事故を隠蔽したかのような発言をしたほか、剖検所見を見ないと分からないはずなのに、「担当医に過失があるといってよいだろう」と断定しました。
TBSのある男性記者は、この女性ジャーナリストと連携して取材をしていました。
男性記者も、「割りばしが脳に刺さったことを知っていたのではないか」「患児の両親は杏林大から謝罪がないとしているが、謝罪する考えはあるのか」など、杏林大に挑発的な取材依頼をしてきました。
杏林大は男性記者の取材事項に沿って回答しましたが、その後のTBSのニュース番組は、回答書の内容を一顧だにしない(回答した事実すら言わない)、遺族側の言い分に偏った内容でした(99年8月時点)。
私が書類送検された2000年7月、多くのテレビ局が匿名としたのに対し、TBSは実名を報道しました。
TBSが執拗かつ不公平だったので、私の両親(父親は弁護士・元第二東京弁護士会人権擁護委員長・故人)は同年8月、BPOに人権侵犯救済を申し立てました。この際、BPOは解決の仲介をしましたが、TBSは申立人らの話を聞くだけで解決策を示しませんでした。
一方、女性ジャーナリストや市民団体関係者に対しては、05年に名誉毀損で提訴しました。結果は4件の訴訟のうち3件が和解、1件は敗訴。
裁判所は和解の際に女性ジャーナリストに「今後は資料をよく調べてから十分注意して書くこと」という条件を付しました。
その後、刑事・民事訴訟で担当医の無罪や請求棄却が決定し、今度こそ正確に報道されると期待していたところ、TBSはまたも「みのもんたの朝ズバッ!」で私たちを取材せず、計2回(06年3月の刑事第一審判決時、08年2月の民事第一審判決時)、問題の女性ジャーナリストを専門家に招き、みの氏と2人で誹謗中傷を繰り広げました。
みの氏は、「(杏林は真面目に)取り組んでいないから、こういう事故が起きて(患児は)死んじゃったんじゃないか!杏林の姿勢を僕は疑う」
「素人でも脳に損傷があると考える」
などと発言し、
女性ジャーナリストも、
「この程度の医療水準で許されるのなら、真剣に頑張っている多くの医師はプライドを傷付けられる」
などと語り、判決を読んでいるとは到底思えない、事実誤認の無責任トークを展開>しました。
無実なのにまだ言うのかと、その執拗さと内容のずさんさに呆れ、私たちは09年5月に再びBPOに人権侵犯救済を申し立てました。
BPOも今度は審理に乗り出しました。ところが、TBSは私たちの申し立てに対し、「医療機関には最善の注意を尽くしてもらいたいという思いで放送した」「客観的事実を超えた思いがあることが分かった」など、人権感覚に欠けた責任感のない答弁に終始しました。
半年間の審理の後、BPOはTBSに「重大な放送倫理違反」があることを認めました。この決定は、ADR(裁判外紛争解決手続)としてのBPOの審理規定で最も責任が重い勧告です。
これにより、私たちの社会的評価が直ちに回復するわけではありませんが、不正確な報道に反論する機会となり、その結果がBPOの記者会見という形で周知された意義は大きいでしょう。私たちは、マスコミとの長い苦しい戦いに「一応」の区切りをつけられました。理不尽な報道に疑問を呈して他界した亡父も喜んでいると思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・と、怒りの赤強調大文字だらけで、読みづらくなってすみませんorz
しかしどうして碌に取材もせずに記事を書いて、裁判で判決が出てもTVで不服を口にするんでしょうか?
ちなみにこのBPOの勧告内容は以下に公開されています。
http://www.bpo.gr.jp/brc/decision/041-050/041_k_tbs.pdf
これに出てくるコメンテーター油井氏とは、こういった本を書かれているようです。
「医療事故―医者の奢り患者の怒り」
私は読んでいませんが、カスタマーレビューの評価は星1.5
他に医療紛争をネタに本を書かれているようですが、
そういった方が評論家としてTVで話して、BPOに引っかかったという結果をみれば、
その著書で一体どのようなことを書かれているのかは、想像に難くない事です。
今度は私が、
「報道被害ー記者の奢り医者の怒り」とでも書きましょうか(書きませんけどねw)
ま、いちいち今更謝罪しろだとか反省しろとか書いても無駄なことなので、
最近の流行語で締めておきます。
Shame on you、TBS!