「朝専用iPhoneアプリ」で不安を解消するあなたの不安、見積もります

「ケータイ家に忘れた」「鍵をかけ忘れたかも……」忙しい朝には不安がいっぱいです。そんなときは機能を絞り込んだ専用ツールに頼りましょう。

» 2010年02月04日 11時53分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 そもそも「不安」という心理は病的なものではなく、人間の意識状態を高め、しっかりした行動をとらせるために役立つものです。しかし、人に求められる役割が高度に複雑化した現代社会では、こういった心理的機能だけではうまくいかないことも多くなってきました。

ビジネスパーソンの気になる疑問

 朝自宅を出るときには急いでいるため、つい携帯電話を置き忘れてしまうことがあります。また、実際に忘れたことはないのですが、戸締まりしたかどうか電車に乗っていて不安になることもあります。佐々木さんはこういった「何とはなしの不安」に駆られることはありませんか?


 まず、状況を整理してみましょう。

 質問者さんが「携帯電話を置き忘れた」ときには、不安心理がうまく機能しませんでした。本来、家を出る前に「携帯電話を持っただろうか?」と不安になるべきだったのに、そうならなかったから、置き忘れたのです。

 一方で、「鍵をかけ忘れたのではないか?」と電車の中で不安になっている場合には、不安になっているという意味では心理機能が働いていますが、少し遅きに失しています。しかも、その不安は間違った不安でした。

 このように、十分に適切とは言えない不安心理のおかげで、この人は「自分自身の不安心理」自体を不安に感じてしまっています。現代にはこのような人が多くいらっしゃるようです。

 わたしが思うに、だからこそ現代には、この複雑な状況に適応するための補助的なツールが不可欠になっているのです。一昔前よりもやることが多くなり、持ち物も多くなり、やることが複雑になっているからです。

 iPhoneに「毎朝チェッカー」(115円・クリックでiTunesが起動)というアプリがあります。ずばり、朝の忘れ物やチェックのし忘れを防ぐという目的で作られたアプリですが、なかなか高機能です。


 「毎朝チェッカー」は、

  • 毎朝
  • 曜日ごと
  • 特定日

 に「やるべきこと」をリストアップし、出かける前にすべてをチェックするように設計されています。この場合、「タスクリストでいいではないか」という意見は少し不適切です。

 確かにタスクリストでも代替可能ではあるのですが、タスクリストで「毎日」「曜日ごと」「特定日」のルーチン設定をするのはかなり面倒。また、タスクリストにこれらのチェックリストを混ぜてしまうと、タスク処理の際に“ノイズ”にもなりがちです。

 忙しい朝にちょっとしたことを忘れるのは、やることが多すぎて集中できないから。そんなタイミングで、「今日のやること」や「1週間後にやること」が詰まったタスクリストを呼び出すのは得策ではありません。そんなときにチェックするのは「毎朝チェッカー」のような機能の絞り込まれたツールの方がベターでしょう。

今週の「これを減らしてみる」

 毎日持ち歩いている物の数。忘れる前に、まず減らすことです。


筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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