パソコン間でのファイルの同期の必需品であり、最近ではすっかり定番となってきた感もある「Dropbox」ですが、実はDropboxが隠し持った能力はそれだけではないのです。今回は意外な時に役に立つDropboxの徹底活用法をまとめてババーンとご紹介

過去にも『Dropbox』を無敵のパスワード同期ツールとして活用する方法や、Dropboxをファイル同期以外にも活用する方法(英語)の記事の中でPC間のパスワード同期、どこからでもポータブルアプリへアクセスする方法、パソコンの遠隔操作などのやり方をご紹介してきました。このアイデアの応用編的な感じではありますが、今日はDropboxの賢い活用方法をいくつか見ていきましょう!

 

■ファイルを暗号化された『TrueCrypt』ボリュームに保存

100507_01dropbox.jpg

データのセキュリティが心配な方は暗号化された『TrueCrypt』ボリュームを作成し、Dropboxフォルダをそこに保存。もちろんDropboxなのでどこからでも同期可能。

さらにもう一歩進めるならば、『TrueCrypt』のポータブル版をDropboxフォルダに保存しておけば、Dropboxに繋がっていないPCから暗号化されたボリュームへアクセスする場合にかかる時間が短縮出来ます。『TrueCrypt』についてよく知らない...という方はこちらのガイドを参考にしてみて下さい。

『TrueCrypt』ボリュームの立ち上げが終わったら、ポータブルアプリ、文書、その他セキュリティ対策を施しておきたいファイルなどをそこに保存します。かなりの量をPC間でやり取りするように思えて心配かも知れませんが、Dropboxは変更された箇所のみを転送することによって同期を行うので、それほどアップロードにも時間はかからないはずです。

■共有フォルダをネットワークドライブとして使う

100507_02dropbox.jpg
How-To Geekのサイトのチームメンバーは、同じ場所に集まって仕事をするわけではないので、企業にあるような社内ネットワーク環境はありません。が、その代わりにDropboxの共有フォルダ機能を使って共有ネットワークドライブとして活用しています。ビジネス関連の文書などの重要なファイルやアートワーク、その他などを共有フォルダに保存し、誰かがファイルを変更すると、その瞬間に共有している全員のファイルもほぼリアルタイムで変更されます。

社内ネットワークであっても、個人間のファイルのやり取りであっても共有ネットワークドライブ環境で一番頭を悩ませるのがファイルの更新です。ファイルが間違って削除されてしまったり、間違って古いバージョンで上書きしてしまったり、と悲劇の種は尽きません。Dropboxのすごい所はファイルの過去のバージョンをウェブインターフェースから復元出来る、ということ。この機能が社内ネットワークにあれば、あの日徹夜しなくてすんだのに、と言う経験が思い当たる方、結構いるのでは?

■Dropboxを実際のマイドキュメントフォルダにしてしまう

100507_03dropbox.jpg

Dropboxユーザからよく聞く苦情が、「別のフォルダになっているので、どのフォルダを同期するのかを指定するのではなく、同期しておきたいファイルをあらかじめDropboxフォルダに入れることを覚えておかなくてはならない」という内容のものです。

こういう作業はついつい忘れてしまうのが人間の性なので、絶対に忘れないようにするにはDropboxフォルダをマイドキュメントフォルダに変更してしまう、またはDropboxフォルダ内に配置する、という方法があります。Windows 7またはVistaで行う場合、ドキュメントフォルダを右クリックし、プロパティを選択、ロケーションタブから新規ファイルパスを指定して移動ボタンをクリックすれば完了です。Windows XPでもやり方自体はかなり似ていますが、ターゲット値を変更しておく必要があります。

ドキュメントフォルダを移動せずにクイックアクセスを可能にするにはWindows 7のスタートメニューにDropboxを追加する(英語記事)、という方法がおすすめです(Windows 7のスタートメニューのカスタマイズ方法はこちら)。

■ブラウザのスタートメニューをカスタマイズして自分仕様に

100507_04dropbox.jpg

DropboxはURL経由でのファイル共有を簡単に実現してくれるので、使っているブラウザ用にカスタマイズされたスタートページを作成することも可能です。ブックマークはもちろんのこと、HTMLスキルと想像力が許す限りのカスタマイズが出来ちゃいます。

これはどちらかというと、必ずしも辿り着きたい場所へすぐに辿り着けるようには設計されてない携帯機器用のスタートページ用に便利です。

やり方としては、HTMLファイルを作成し、それをパブリックフォルダへ保存します。そのURLをDropboxのコンテクストメニューから取得し、それをスタートページとして設定してやれば完了となります。でもHTML分からんし、という方はこのiPhone用チュートリアル(英語記事)も、英語ですがご参考あれ。

■任意のパソコンからTorrentsを開始

100507_05dropbox.jpg

家に帰ってからダウンロード開始するのを待つよりも、どのパソコンからでもダウンロード開始を遠隔操作出来たら便利(英語記事)だと思いませんか?

これに必要となる設定は、TorrentクライアントがモニターするフォルダをDropboxに入れ、そのフォルダへtorrentファイルを遠隔操作で追加するだけ。ウェブインターフェースからアップロードすることも可能です。uTorrentを含む多くのtorrentクライアントはこの機能をサポートしています。他にもダウンロードを遠隔操作で開始させる方法はありますが、この方法が最も簡単な方法ではないでしょうか?

■役に立つ情報をどこへでも

Phoneへのデータ同期は簡単に可能ですし、モバイルウェブインターフェースからファイルへアクセスするのも簡単です。なので、PDFブックやその他のファイルをDropboxフォルダへ保存しておけば、読みたくなったときにいつでもアクセス可能。つまりiPhone、iPadなどのモバイルデバイスをeBookリーダーにいとも簡単に変身させることが出来るわけです

例えば、読者@joeattardiはレストランから栄養成分表が書かれたPDFファイルをダウンロードし、栄養データをどこに居ても入手出来るようにしているそうです。これは栄養情報だけに限らず他の情報でも同じ要領で入手、活用可能です。

PCから離れている時にアクセスしたいデータがあればDropboxと連携させることによって簡単に実現可能な時代なのです。

■音楽を同期、どこからでもアクセス、友達と共有

100507_06dropbox.jpg

iTunesユーザの方であれば、ライブラリをDropboxフォルダに移動させるのは、いたって簡単です。まずiTunes が開いている場合は終了し、iTunesの音楽フォルダをDropboxフォルダへ移動させます。次にシフトキー(Macの場合はOptionキー)を押しながらiTunesを起動させれば、どのライブラリを使用するのかiTunesが聞いてくるので新しいフォルダロケーションを指定してやります。

2台目以降の設定は同様にシフトキーを押しながらiTunesを立ち上げ、同じように新しいフォルダのロケーションを設定します。

100507_07dropbox.jpg

音楽コレクションがDropboxに入ったなら、どのウェブブラウザからでもウェブインターフェース経由でアクセス可能です。iPhoneやその他のウェブに接続可能なデバイスからのアクセスも、もちろん問題ないです。音楽を長時間聞くには最適なインターフェースとは言い難いですが、話題に上った曲をちょっと友達に聞かせる、というくらいであれば簡単に使えて便利ですよ

と、Dropboxの使い方あれこれをまとめて紹介してきましたが、読者の皆さんはDropboxをどのように活用していますでしょうか?他にもおすすめの活用方法があればぜひコメントで共有して下さい!

How-To Geek (原文/まいるす・ゑびす)