かれらの惨状は米国黒人は言うに及ばず、インディアンやエスキモーをはるかに上回る。

かんたんにいえば豪州白人から人間扱いされていないのです。

もし独立が出来たら日本を含むアジア各国が積極的に投資して、アボリジニの生活レベルと民族の誇りを劇的に向上させるでしょう。すくなくとも観光収入が彼らに直接入り、鉱物資源からブルネイ並みの莫大な国家収入も見込めるでしょう。

そして、ついでにいえばオーストラリアは独自の議会を持ってはいるが、今でもイギリス女王を元首に抱くブリティッシュ・コモン・リアルム、すなわちイギリス領土なのです。

ですから彼らのオーストラリア植民地経営も英系白人の経済的利益の最大化を目的にしています。殖民から200年も経ったのに人口が2000万程度なのもイギリスの移住者の１オプションとして最良の条件を維持するという考えが根底にあるからです。

彼らはオーストラリアは大半が不毛の砂漠地帯で大規模人口を抱えることは出来ないといいますが、オーストラリア国土の７０分の一以下のタスマニアでさえ２０００万人以上の人口を抱える台湾より大きく全土が森林に覆われた居住に適した土地なのです。

ついでに言えば、アボリジニ国家が成立すれば、恐ろしく金持ち優遇の排他的なオーストラリア移住政策に代わり、タイ等東南アジア並みに日本人が移住することが出来るようになるでしょう。

そしてその移住者がアボリジニより経済的に優位に立つことは確かですが、今の支配者であるイギリス系白人よりははるかに融和的でしょう。

実はアボリジニは日本人のイメージと違い不毛の砂漠の民というより、アデレイド等オーストラリアの肥沃な土地に多く居住していたのですが、さすがに南オーストラリア州やビクトリア州をアボリジニ独立国家に組み込めとはいいません。

もちろんハンティングでアボリジニが全滅してしまったタスマニア州もです。

しかし、カナダやニュージーランドに比べオーストラリアアボリジニははるかに独立による利益も現実性も高いのは確かなのです。