予算委員会審議:政治介入についての問題整理 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

予算委員会審議:政治介入についての問題整理

秘書です。

漁船衝突事件の政治介入問題の核心は何か。

①総理も官房長官も失敗を認めた
②しかし、失敗の判断者=責任者を回避して沖縄地検に押しつけている

これが焦点です。国家指導者として、失敗の責任の自覚があるのかないのか、これだけ重大な案件について、ふだんは政治主導といっておきながら官僚に責任をおしつけるのかの問題です。


昨晩の「志士の目」で中川秀直は以下のように述べています。
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10663203298.html

「最悪のタイミングでの最悪の菅政権の判断で、国民の不安が高まっている。今後の菅政権の対応を、世界のならず者国家、テロリスト、武装勢力、海賊、山賊、盗賊の類が注視している。日本は脅せば折れる国家なのかと注視している。命の危険にあるのは4人だけではない。全日本国民であることを忘れてはならない。」(「日本が倒れたらドミノ倒しになっていく。(中川語録)」)

これだけ深刻な判断ミスを、沖縄地検の責任にするな、ということです。


■菅首相、漁船衝突事件への政治介入を否定
< 2010年9月30日 13:05 >日テレニュース24
 沖縄・尖閣諸島沖の漁船衝突事件をめぐり、30日朝から衆議院予算委員会で菅首相も出席して集中審議が行われた。

 中国人船長の釈放に政治が介入したのかどうかが論戦の焦点となった。菅首相は、捜査への介入は否定する一方で、外務省が那覇地検に日中関係の現状を説明したことは適切だったと強調した。

 自民党・小野寺議員「政治介入をしたなら介入したと堂々と言うべきだ。もし今回、検察にすべて責任をおっかぶせるとしたら、このすべての日本外交の失敗は、全部、検察の責任になってしまう」

 仙谷官房長官「刑事捜査に対する政治介入は一切ありません」

 菅首相「政治介入という言葉を、捜査に対する介入ということがあったかと言えば、官房長官が言うように一切ありません。しかし、例えば外務省から話を聞くということが、そのことまで含めて政治介入という言葉で言うなら、法律に基づいての行動が、その中で検察が検察として判断されたことは、私は適切だったと明確に申し上げているわけでありまして、何も逃げていません」

 小野寺議員「外務省の職員を呼んで『日中関係は今、大変なことになっている。このことについて、よく検察に説明してこい』、こういう言い方をよく政治家は行います。菅首相は非常にひきょうだ。すべて、色んなところに責任を押し付けている」

 こうした自民党の追及に対して、仙谷官房長官は「政治介入したと非難する一方で、政治介入して刑事司法に対して影響力を行使しろと言っているのかわからない」と疑問を呈した。今後、同様な事案が発生した時に日本政府はどう対処すべきなのか、政治のあり方が問われている

この最後の部分は問題の焦点をぼやかしています。

①今回の問題は外交政策の失敗であることは政府も認めた
②しかし、失敗の責任をとろうとしていない
③沖縄地検におしつけているのではないか

そこが問題の核心です。

下記のように、総理も官房長官も、失敗をみとめている。それを沖縄地検の責任にするな、ということです。


■首相が国民に「心配かけ、おわびしたい」と謝罪 尖閣集中審議
産経新聞 9月30日(木)9時25分配信
 衆院予算委員会は30日午前、沖縄県・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件に関し、菅直人首相と全閣僚が出席して集中審議を行った。菅首相は民主党の長島昭久氏への答弁で「今回の事案について、国民の皆さんにいろいろと心配をかけ、ご意見をいただいたことに対し、おわびを申し上げたい」と述べた。

■仙谷官房長官反省…「中国に習熟すべきだった」
(2010年9月29日13時46分 読売新聞)
 仙谷官房長官は29日午前の記者会見で、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐる日本政府の一連の対応について「司法過程についての理解が(日中間で)ここまで異なるということについて、もう少し我々が習熟すべきだったのかなと思う」と述べ、当初の見通しの甘さを認めた。
 仙谷氏は中国人船長以外の乗組員14人と船体を中国側に引き渡す方針を決めた13日の記者会見で「船員と船が(中国に)帰れば、違った状況が開ける」と事態打開への期待を示した。しかし、中国はその後も反発を強めた。
 これについて、仙谷氏は「『中国も理解してくれるだろう』と判断していた。(中国でも)司法権の独立とか、政治行政と司法の関係が近代化されてきているとの認識を持っていたが、あまりお変わりになっていない」と指摘した。