実家の裏庭に、大きな『キンモクセイの木』がありました
私が物心着いた頃から存在していたその木は
秋になると、独特な良い香りがしました。
時には「トイレの芳香剤の匂いがする~(笑)」
何て言いながら…
共に成長してきました。
(うわぁ~超大げさかっこつけすぎぃ)
4つの季節を何十年も過ごしながら、
大雪の日には、その木に降り積もった雪の重みで、
折れそうになるのを耐えながら、育ちました。
季節が過ぎ行く中で、お隣の家も駐車場となり
いよいよ、その木も無くなる時が来たのです。
その裏庭は、ちゃんとした持ち主がいたのです。
その方は、そこに自分の家を建てると言いました。
馴れ親しんだその木が無くなる日が来るなんて、想像してませんでした…
ずっと『そこ』にあると思っていたから。
窓を開けるたびに『そこ』にあった木
「この木なんの木」みたい
と言いながら…
着々と作業が進む中、そしていよいよ伐られる日が来たのです。
当日高校生だった私は、学校に通っていました。
帰宅した時、母に促されるように窓を開けました。
そこにあるはずの『キンモクセイの木』は
忽然と姿を消していました…
茫然としながら、その木の面影を探しました。
「お願いだから伐らないで」と言う心の声は
届くはずもなく、その言葉を飲み込みました。
だから今でもふと思い出すのです。
キンモクセイの香りを嗅ぐと…あの大きな木を
だから私にとって、『切ない香りの季節』なのです。
キンモクセイの香りを嗅ぐと、切なくなるのはこんな理由からだったのです
読んでくださりありがとうございます。
ランキングに参加してます応援宜しくお願いします
↓↓↓↓
にほんブログ村