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「理想的な淡水水槽」 10.2.2. 水草は水槽の酸素供給者


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

10.2.2. 水草は水槽の酸素供給者


水槽の中に最も多くの酸素を供給する生物は水草である。前章(10.2.1. 光合成による酸素の発生)で触れたように、光合成の過程において水草は水槽内に酸素を供給する。

メンテナンスの行き届いた水槽内では、酸素濃度は毎朝50~60%を示すが、午後になると、その濃度はほぼ飽和状態の100%程度になるはずである。これは酸素の小さな泡が、朝から午後になるにつれて水草の葉から水面へと浮かび上がるのを目で確認できることからも明らかである。水槽が酸素で満たされている場合に、この酸素の泡が発生するのである。

もし一日のうち一度も水槽内で酸素が飽和状態に達しなければ、それは光の効率が悪い、二酸化炭素濃度が低い、あるいは水槽内の有機物負担が大き過ぎるといったところが理由だろう。どうやら水の交換をすぐに行う必要がありそうである。

河川研究の分野の文献においてごく最近になって主張されている、人間が技術を駆使して、水中に植物と同程度の効率で酸素を供給することができるという考え方は、誤りであると我々は考える。このように述べると即座に異議が申し立てられるに違いないが、換気装置や酸化装置などは非常にコストがかかる上、健康に成長し光合成を行う水草と比べたら、その酸素供給能力ははるかに劣っているのである。

水槽内において水草が行う酸素供給は、技術的にも優れている。水草はただ酸素を水中に溶かすだけでなく、根から底床の中にまで酸素を送り込んでいるからである。

 

 


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