ニュースとして聞いた話と、実際に行った人の体験談には差があるものです。
もちろん自分で体験するのが1番なのでしょうが。今回は中国はFoxconn社で現地体験してきたロイター記者のレポートをどうぞ。
Appleの本社、PRの拠点はアメリカ国内にあります。がしかし、Apple製品自体はハード製造工場のある中国から直でやってきます。もちろんAppleの下請けですから彼らもAppleのように秘密主義、ただし彼らがAppleと違うのはその秘密を守るために時に過激に暴力的になってしまうということ。
Appleのサプライチェーンについて我々がすでに知っていること、それはAppleの下請け製造を行う製造業者は新製品の情報漏洩が一切ないようとてつもなく大きな圧力の下にいるということ。
昨年、Foxconn社員がiPhoneの試作品をめぐり自殺に追い込まれた事件によってその問題の一端を感じた人も多いと思います。しかし当時のそのニュースは直接的ではなくいくつものニュースとPRを介して我々まで伝わってきた可能性は大いにあります。いろんな段階を経る前、その現場では一体どのような状況なのでしょう。
ロイター記者が現地で体験したレポートの一部はこちら。
龍華工場エリアで近くのFoxconn工場でも同じくAppleの部品製造を行っているとの情報を得て、記者はタクシーで深川はGuanlanにある、多種多様な企業の製品製造受け持つ工場へ向いました。
記者が工場前のゲート前、セキュリティチェックのエリア付近の公道から写真をとっていると守衛が大声で注意をしてきました。記者はさらに何枚か撮影し、待たせていたタクシーに飛び乗りました。しかしそこで守衛がでてきてタクシー運転手に車をとめることを要求し、とめないとタクシーライセンスを剥奪するとまで脅してきました。
記者は車からおり、公道から撮影していたことを説明しこれは自分の権利であると主張しました。守衛は記者の腕をつかみ、他の守衛もでてきて、多くのFoxconn社員が見つめる中、守衛達は記者を工場の中に連れ込もうとしました。
手を離してくれないので、なんとか自分で抵抗してその場から立ち去ろうとしました。すると守衛の1人が記者の足に蹴りを、さらに止まらなければもう1度蹴るぞと脅しをかけてきました。数分後に、Foxconnの社用車が到着、しかし記者は乗車を拒否。その代わりに警察へ連絡しました。
警察が到着し仲裁にはいったことで、守衛は謝罪、そこで状況はおさまりました。警察から届けをだす事もできると言われるも記者は出さずにその場を去りました。
「自分のやりたいことをやるのはかまいません。ただしここはFoxconnです。彼らはここで彼らならではの特別な位置にいます。そのことを理解して下さい」とは警察の言葉です。
さて、もしあなたがこの記者で、現地で公道からFoxconnnの写真を撮影しているところを見つかり、怒鳴られ、蹴られ、連れ込まれそうになり、脅され、さらに警察よりFoxconnの特別な位置を諭されたら一体どのように感じるでしょうか?
このFoxconnの過激とも言える守秘義務体勢、それにともなう暴力、これはAppleに対してどのような意味をもたらすのでしょう。
Appleがずっと昔に暴力に訴える可能性のあるような会社とのビジネスをはじめてしまったのか。又は、Appleの守秘義務体勢とFoxconnにおける価値がこの会社をこのようにしてしまったのか。
[Reuters via Business Insider]
John Herrman(原文/そうこ)