ソフトバンク松中信彦外野手(36)が、2ケタ本塁打よりも逆転Vを優先する。昨オフの左ひざ手術の影響による出遅れや左手首痛に悩まされた今季はここまで9本塁打。残り9試合となり、入団3年目の99年から11年連続でマークしている2ケタ本塁打に黄信号が灯っている。

 千葉に移動した13日、野手陣では唯一福岡ヤフードームを訪れ、試合用バットを発送した。「オレの個人記録とか何にもない。チームが勝てるように頑張るだけ」と勝利のために1発を捨てる覚悟を見せた。

 苦しい状況でも、03年から遠ざかる優勝の2文字しか見えない。マジックを7としている西武の最短優勝は18日。その18日からの直接対決3連戦で、優勝を決められる可能性もある。「目の前で胴上げだけは絶対にさせたくない」。14日からのロッテ3連戦は全勝が義務づけられるが、心強いデータもある。

 15日のロッテ先発は渡辺俊が濃厚。昨季の対戦打率は5割7分1厘、シーズン6本塁打を放った05年から4年連続で本塁打をマークするなど大の得意としている。「渡辺俊?

 関係ない。試合に出たら全力を尽くすだけ」。苦しみ抜いたシーズン、頼れる主砲が最後の最後でチームに奇跡を起こす。【倉成孝史】

 [2010年9月14日11時30分

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