ICT総研の調査結果の一部を抜粋すると以下のようなことが書かれていました。
通信事業者別に見ると、サービス開始直後の「SoftBank 4G」の圧倒的な通信速度が目立つ。東名阪26地点の下り平均速度が昼8.55Mbps、夜5.29Mbpsと、昼は次点の「UQ WiMAX」の2.2倍、夜は次点の「Xi」の2.6倍の速度を記録した。
他3社の平均が昼3.39Mbps、夜1.95Mbpsであり、これと比べると昼は2.5倍、夜は2.7倍の速度となる。多数の地点において10Mbps以上の通信速度を記録。とくに都心の駅ホーム上では25Mbps以上の速度も叩き出すなど、圧倒的なスピードが計測されており、速さに関して他社の追随を許していない。
サービス開始直後だけに利用者数が少ないことも影響しているはずだが、そもそも同サービス対応端末の理論上の最大速度が下り76Mbpsと、他サービスを大きく引き離しており、この理論値の差に準じた順当な速度差が生じている。少なくとも東名阪ではサービス開始当初からエリアカバー率が高いことも、本調査により実証された。
「SoftBank 4G」って、今年の2月26日にサービスが開始したばかりなのに何でこんなに結果がいいの? って疑問に思った人も少なくないと思います。その疑問に対する答えは、SoftBank 4GがワイヤレスシティプランニングからMVNOされているAXGPという規格を利用していることにあるようです。
AXGPって聞きなれない規格ですが、実はかつてのウィルコムが次世代PHSとして企画し、総務省から2.5GHzの周波数帯を割り当てられ、XGPサービスとして整備していた規格の後継なのですよ。シンプルに表現すれば、進化したXGP(Advanced XGP)とも呼べそうです。
AXGPの前身であるXGPのサービスをウィルコムが開始したのが、2009年4月27日でした。そこからも3年弱経過していますので、他の次世代高速データ通信の規格と比べると準備する期間が十分あったことになりますよね。ただし、XGPのサービスを始めて1年足らずで、ウィルコムが事業再生ADR手続を申請し、APファンドとソフトバンクなどが設立した新会社(現ワイヤレスシティプランニング)にXGPを譲渡したこともあって、当初の計画通りに基地局などの整備が順調にできていたとは言えない面もあります...。
そういった意味では、AXGPはかつてのウィルコムがXGPとして芽を撒き、途中まで育てたものをワイヤレスシティプランニングが品種改良してAXGPとして育て上げ、今ようやく収穫の時期を迎えている...と見えなくもないです。
今のところAXGPをMVNOしているのは「SoftBank 4G」のみで、これまでの長い準備期間を経て、見事なスタートダッシュを切ることができた! という意味では、今、「SoftBank 4G」を選ぶのはアリかも知れませんね。
次世代高速データ通信 電波状況実測調査 [ICT総研]
SoftBank 4G[Wikipedia]
Wireless City Planning[Wikipedia]
eXtended Global Platform[Wikipedia]
(KENTA)