伊東乾 (作曲家)
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伊東 乾(いとう けん、1965年1月27日[1] - )は日本の作曲家、指揮者、作家。東京都中野区生まれ。
経歴
空気中を伝播する物理的な音波と、人間が聞き取る心理的な音像(サウンド・イメージ)に差異がある事実に基づいて、音楽制作に脳認知科学を体系的に導入している[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。作曲家、指揮者。近年は各種マスメディアやインターネット上で作家活動も行う。
作曲家のジェルジ・リゲティ、ピエール・ブーレーズから示唆を受け、[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。「音高」「旋律」「和声」「音色」「アーティキュレーション」「テンポ・リズム」など、既存の音楽の分節要素を脳認知の観点から具体的に再検討、音楽の枠組みに音声科学から「聴覚的錯覚」「カテゴリカル認知」等の概念を導入し、多チャネル・デジタル音楽環境を前提とする演奏や作曲、指揮、ミキシングの為の音楽基礎の体系化を試みた[2]。
イヤホン・ステレオから漏れ聞こえるロックコンサートの音楽は、物理的には小音量だが知覚的には「大きな音」と認知される。これに対し、マイクロフォンに接して囁かれる小声を大音響で再生しても、主観的には「小さな音」と理解される。こうした現象は聴覚的錯覚として1950,60年代以後、音響認知脳科学で知られるようになった。人が音や音楽を聴く一般的な科学的枠組みを前提として、内外のポップス、テクノ、民族音楽などさまざまな音楽を分析し、慶應義塾大学での講義(1999-2002)につなげた。[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。
第一回出光音楽賞(1990年度)[3]、東京都政50周年記念管弦楽作曲コンクール第一位(1993)や武満徹作曲賞第2位(1999年度、第1位は前田克治)[4]を受賞。1999年NTTコミュニケーション科学基礎研究所客員研究員、慶應義塾大学兼任講師を経て2000年東京大学助教授(大学院情報学環・作曲=指揮・情報詩学研究室)[5]。
「バーンスタイン,ユンイサン,ノーノ,近藤譲,リゲティ,ブレーズ,ケージ,井上道義にそれぞれ師事した」とされているが、経歴が「虚実ないまぜ」と批判されたばかりか、当の本人たちが「Ken Itoなど知らない」と答えている。
事実は師事したのではなく、以下のようなものだと指摘されている。
バーンスタインに師事は90年札幌PMFでゲネプロ会場に潜り込んだだけである。「ノーノに師事」は東大で講演してもらった時のお世話係だっただけである。 「リゲティに師事」は演奏会打ち上げパーティで5分間立ち話しただけである。 「ブレーズに師事」は「レポン」ゲネプロに潜り込んで、会場をウロウロしていただけである。「ケージに師事」は講演会場で質問しただけである。 「井上道義に師事」はいわゆる「かばん持ち」だったのである。
こうした指摘に対し伊東はなんらの反証もできず、事実上指摘を受け入れ、現在ではかつてほど「華麗な経歴」を公にしなくなった。
学歴・職歴
- 1980年武蔵中学校卒業
- 1983年武蔵高等学校卒業
- 1990年東京大学理学部物理学科卒業
- 1992年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士課程修了[5]
- 1995年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程単位取得退学[5]
- 1999年東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論博士課程修了[5]、博士 (学術)
- 2000年[5] - 2007年3月 東京大学大学院情報学環助教授
- 2007年4月 - 東京大学大学院情報学環准教授
創作・演奏・研究
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アメリカの作曲家ジョン・ケージの遺作 "OCEAN" 初演ではマース・カニングハム舞踊団やアマチュアオーケストラの新潟大学管弦楽団と共演し[6]指揮を行なった[7]。また、「京都賞」受賞を期に来日したギリシャ=フランスの作曲家イアニス・クセナキスを特集するテレビ番組を高橋悠治と共に準備し、テレビ朝日やNHKに企画提案するなど[8]ジャンルを超えた活動を特徴とする。 松平頼則のオペラ「源氏物語」(1992-95 / 98-99)では作曲者の依頼を受け、ソプラノ歌手奈良ゆみのための源氏物語所収の和歌による連作歌曲を2幕のオペラに構成、オーケストレーションの手直し、エレクトロニクスの導入など創作段階から補佐し、世界初演の指揮・芸術監督、スコア、パートの校閲まで全責任を追った[9]。また黛敏郎急逝後の一時期(1997-99)、テレビ朝日系列「題名のない音楽会」の音楽アドバイザーを務めた。
東大助教授就任以後の2000年からは東京藝術大学との共同研究での、島津製作所の技術協力による音楽家の演奏中の脳血流可視化測定や、ルツェルン音楽祭ブーレーズ・アカデミーの協力による指揮のモーションキャプチャー解析など、認知脳科学、行動科学に基づく作曲と演奏の基礎研究を行う。
音楽とメディアの倫理
伊東の音楽基礎研究は、生理的な音響脳認知の基礎検証とともに、耳からもたらされる音情報が聴き手の意識に先立って情動を喚起し、それによって意思が決定してしまう、という生理メカニズムに基づく倫理的な考察を特徴としている。[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。(「情動は気づきに先立ち、意思を決定する。」(『さよなら、サイレント・ネイビー』))。
この観点から、20世紀初頭のラジオや映画などマスメディアの誕生が人類にファシズムをもたらした経緯を踏まえ、「こころリテラシー教育」プロジェクトなどを組織[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。東京大学教養学部・全学必修科目「情報処理」「情報」を担当する教員の一人であった伊東により、伊東の担当したクラスにおける「破壊的メディアマインドコントロール予防教育」カリキュラムといった情報教育に、その成果は応用された(2000-2006)[10]。今は東京大学で院生を指導する立場にない[11]。
2006年、東京大学理学部物理学科・同大学院時代の同級生である地下鉄サリン事件実行犯、豊田亨被告周辺を取材し、マインドコントロールの問題を追った『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社)で開高健ノンフィクション賞を受賞[12]。そのほかの活動として、米国ノースカロライナ州フォートブラッグ基地に体験入隊してイラク戦争に派遣される米兵の内面を追ったドキュメンタリー「イラク増派に揺れる基地の町」(NHK・BS「地球特派員2007」)[13]、マインド・コントロールと刑事責任能力の関係を論じた団藤重光との連続対談[14]がある。しかし、彼自身がマインドコントロールに積極的に加担していた重大なる事例(シュトックハウゼンの葬礼の場で、クラッカー被害と個人情報の違法取引に悩んでいた嘗ての盟友に対して、橋本龍太郎元首相は後藤組にフィブリノゲンを投与されて暗殺されたとの虚言を吹き込み被害者の人生と人脈を根こそぎ破壊した。)も報告されており、被害者は一度は伊東及び関係者の更生を望み、彼等を赦免する道を択んだが、彼に更正の意志の更々無いのを熟知するに到り、人情に流された赦免の道を完全撤回、伊東のサリン犯に等しき洗脳犯罪を生涯に亘って一層先鋭化し対決、追求してゆく姿勢を新たにした。
作風
小櫻秀樹らは伊東の作品を何の個性も模倣ももたない「無機的作品」と称した。これに対し伊東は「楽譜を参照してみれば明らかに先人の松村貞三や西村朗らの邦人作曲家の書法上の影響が見られ、知己の多いとされる欧米の作曲家の作風とは、かなり乖離している。」と抗弁している。しかしこの事は「伊東の作風は松村貞三や西村朗のエピゴーネンにすぎない」と言う批評を補完してしまい、伊東にとって袋小路である。 また伊東は自身の作品の「題名が複雑怪奇で衒学的である点が入野義郎や柴田南雄らの「東大楽派」の共通項である。」と主張するが、 「東大楽派」は伊東の造語でありそのような「楽派」も用語も存在しないことは、検索エンジンで「東大楽派」を検索しても特に何もヒットしない事から明白である。それどころか「題名が複雑怪奇で衒学的である点が入野義郎や柴田南雄らの「東大楽派」の共通項」自体が伊東自身の、自身による 自身のための思い込みに他ならないと指摘されるに至った。
作品
- 変奏曲(室内アンサンブル)Variation(1981-82)
- 戦傷(ソプラノ、テノールとオーケストラのためのミニチュア・オペラThe Wound(1982-83)
- Meteore Galactique(8トロンボーン)(日本大学芸術学部トロンボーンアンサンブル委嘱)(1987)
- Clarte Statique(6バリトン、3チューバ)(日本大学芸術学部バリトン・チューバアンサンブル委嘱)(1988)
- 解放(室内アンサンブル)emancipation(1987-88)
- Raummusik nach J.S.Bach(4バリトン、4チューバ)(日本大学芸術学部バリトン・チューバアンサンブル委嘱)(1989)
- 朝(打楽器、声)mo(u)rning(1988-90)
- 観測(室内アンサンブル)measurement(1990)
- 天路歴程(オーケストラ、混声合唱)Pilgrim's Progress(1990)
- 嬬艮(フルート、ピアノ)Dugong(1991)
- 天涯の碑(オーケストラ)A Crucifix in Exile(1991-92)(京都市交響楽団委嘱作品)
- 宇宙樹の森(ウインドオーケストラ) Forest of Dendrocosmos(1992-3)(東京佼成ウインドオーケストラ委嘱作品)
- コスモストロフ(ピアノとオーケストラ)Cosmostrophe (1993)
- ミカ サッフォーの詩による愛と死の歌(ソプラノ、トランペットとオルガン)Mika(1993)
- フェスティナ・レンテ ゆっくり急げ!1(フルート、トランペット、ライブエレクトロニクス) Festina Lent (1993-94)
- フェスティナ・レンテ ゆっくり急げ!2(フルート、トランペット、オーケストラとライブエレクトロニクス)Festina Lent (1994)(東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品)
- 波濤図 Sueges(1995) Invited piece by Musiana Festival, Denemark.
- 原喧騒 Das Urgeraeusche(1995-6) Commissioned by Elision Ensemble
- フロリダ三角形 Florida Triangle 高橋悠治、Phillip Gerbとのイヴェント(1996)
- ダイナモルフィア(互いに調律の異なる3群のアンサンブル)Dinamorphia(1998)
- マルセル・デュシャンとジョン・ケージによる能オペラ 邯鄲Quand/Temps(1999)(アートキャンプ白州 能楽ワークショップ/新潟市民文化会館武満徹追悼プロジェクト委嘱・制作作品)
- 飛花落葉・ナガサキ(琴歌)(1999)(吉村七重委嘱)
- 松浦寿輝の三つの詩(ソプラノとピアノ)(2000)(岩崎淑委嘱)
- 交響楽 KouKyouRaku=Philharmonia(2001-) 全面改稿中(読売日本交響楽団委嘱作品)
- 朝 声のめざめ(混声合唱)Mo(u)rning (2001)(東京混声合唱団委嘱作品)
- 説教あぽとおしす縁起(雅楽と声明)(2002)(神奈川県立音楽堂委嘱作品)
- 小乱声・囀・音取(ピアノと木管)(2002)(一柳慧委嘱)
- 大岡信の二つの詩(木馬・光のくだもの)(テノールとピアノ)(2003)(新しいうたを作る会委嘱作品)
- Positions(木管と打楽器)(2005)
- 百折不撓(弦楽合奏とハープ、チェレスタ)Hyakusetsu Futo(2005)
- 無窮花 Mugunfa(トランペット)(2006)(曽我部清典委嘱)
- 調教と傷心のアメリカ(バリトン、トランペット、ピアノ)America, trained and heart-broken...(2007)(双子座三重奏団委嘱)
- 北斎による眩惑(12打楽器)Revertige apres HOKUSAI (2007-)
演奏
- 松平頼則 Yoritsune MATSUDAIRA 源氏物語 Le dit de GENJI 世界初演(1995)
- ジョン・ケージ John CAGE “OCEAN”(1998)(with Merce Cunningham Dance Company)
- テロスを消去…1999 大野一雄、磯崎新、一柳慧とのセッション
To extinguish Telos (1999) with Kazuo OHNO, Arata ISOZAKI & Toshi ICHIYANAGI
- 武満徹 Toru TAKEMITSU 一柳慧のためのブルーオーロラ Blue Aurora for Toshi ICHIYANAGI(Toru TAKEMITSU) (2000)(一柳慧と)
- アート・テクノロジ・ブレイン1(バルトーク 弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽 ほか) (2002)
- 脳機能可視化同時測定演奏(東京藝術大学奏楽堂 ヒロシマ・ナガサキ60年平和祈念コンサート、ワーグナー「ローエングリン」抜粋、バルトーク「中国の不思議な役人」、松村禎三「交響曲」、ブーレーズ「デリーヴ1」ほか)(2005)
著書
- 表象のディスクール(『表象』と『創造』の執筆者の一人)(ISBN 978-4-13-014111-6、ISBN 978-4-13-014116-1)
- 『東大式絶対情報学』(ISBN 978-4062133715)
- 『さよなら、サイレント・ネイビー』(ISBN 978-4087813685)
- 『超「東大脳」の育て方』(ISBN 978-4569659893)
- 『ケダモノダモノ』(ISBN 978-4087813807)
- 『反骨のコツ』(団藤重光との共著)(ISBN 978-4022731692)
- 『バカと東大は使いよう』(ISBN 978-4022732163)
- 『日本にノーベル賞が来る理由』(ISBN 978-4022732521)
脚注
- ^ “ciber literacy @ Komaba 000419”. 2007年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月15日閲覧。
- ^ 『動力学的音楽基礎論』東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学研究専攻博士論文
- ^ 出光音楽賞歴代受賞者
- ^ [武満徹作曲賞] 1999年度審査員 ルチアーノ・ベリオ
- ^ a b c d e http://blog.iii.u-tokyo.ac.jp/iii/staff/ito.html
- ^ 伊東に言及していないものの、新潟大学管弦楽団の沿革にマース・カニングハム舞踊団との共演についての記述がある。
- ^ マース・カニングハム舞踊団[プログラム] : 日本公演
- ^ 雑誌「インターコミュニケーション」に関連の鼎談が掲載されている。NHK番組では高橋によるクセナキスのピアノ曲「ヘルマ」全曲の初テレビ収録(未放送)等が行われた
- ^ 1992-95, Partitura; Edition Durand-Salabert-Eschig
- ^ 『絶対情報学』講談社
- ^ “青春と読書 特集『さよなら、サイレント・ネイビー』とノンフィクションの魅力 伊東乾氏によせるエール イトケンシュタインの冒険 上野千鶴子”. 2009年10月14日閲覧。 “イトケンシュタインこと伊東乾は、不良(ワル)である。なにしろ、指導が悪いからといって、院生の指導教員をはずされたというのだから、札付きである。”
- ^ 集英社 開高健ノンフィクション賞
- ^ NHKアーカイブス 保存番組検索: 地球特派員2007 イラク増派に揺れる基地 開戦4年 アメリカの苦悩
- ^ 『反骨のコツ』