碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

TBS「世界笑える!ジャーナル」のチープ感

2010年04月27日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載中のコラム「テレビとはナンだ!」。

4月27日付けの掲載分で、TBS「世界笑える!ジャーナル」を取り上げた。


見出し:
TBSの新バラエティはチープで質も問題だ

コラム本文:
報道からバラエティへと宗旨替えしたTBSのと宗旨替えしたTBSの「世界笑える!ジャーナル」を見てみた。

扱うのは「旬の話題からB級ニュースまで」。

“芸人ジャーナリスト”なる面々が世界を駆け回るそうだ。

先週は初回ということで2時間スペシャルだったが、登場したネタにびっくりした。

美人政治家、世界一の長身男、500円寿司、薄毛対策、超満員電車、大金持ちの豪邸、エラー紙幣、そして新幹線の洋服掛け、以上。

この中で海外取材は長身男のチュニジア、満員電車のインドネシア、豪邸がアジアのどこか、という3つのみ。

タイトルにある「世界」の文字が恥ずかしくなる低コスト仕様だ。

しかも国内ネタのチープ感が加わる。

薄毛で登場したのは森脇健児。彼の鍼療法をブラックマヨネーズの小杉が試すだけで15分というのは完全に水増しだ。

また、500円で250貫の寿司はいかにもデフレ時代らしい話だが、スタジオにまで持ち込んで見せるほどのものだろうか。

芸人ジャーナリストを“特派員”と言い換えれば、往年の「投稿!特ホウ王国」(日本テレビ)が思い浮かぶ。

しかし、エンターテインメントとしての質は、予算を勘案しても雲泥の差である。

唯一の救いは司会の国分太一(TOKIO)だ。

数ばかり集めたお笑い芸人たちを相手に孤軍奮闘。

その誠実な仕事ぶりが何だか泣けてくる。
(日刊ゲンダイ 2010.04.27付)


・・・今後、こういう安価なバラエティがもっと増えるのかもしれない。

しかし、それはテレビが自分で自分の首を絞めるようなものだ。

初回の視聴率、6.8%。

視聴者は侮れない。ちゃんと見ている(ダメなものは見ない)。

問題なのは低予算ではなく、その予算で、何を、どう見せるかなのだ。

この記事についてブログを書く
« 『週刊現代』で、“春の連ドラ... | トップ | 『ゲゲゲの女房』の浮上 »
最新の画像もっと見る

「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評」カテゴリの最新記事