オリオールズが上原浩治投手(35)に来季残留オファーを出すことが12日(日本時間13日)、濃厚となった。バック・ショウォルター監督が「(上原の)効率のいい投球に驚いている。来季に向けて、いろいろな場面で起用して可能性を試したい」と話し、来季の構想に加えていることを明言。スカウト責任者のリー・マクフェイル氏も「健康であれば素晴らしい投手であることを証明している」と高評価した。

 上原は昨季の大半を故障者リスト(DL)入りして過ごしたため、球団も今季開幕当初は故障をおそれて「連投なし、1回限定」で起用していた。しかし今季2度目のDLから復帰した6月末からは安定した投球を披露。7月9日以降の25登板で27回1/3を投げて30奪三振、防御率1・98の数字をマーク。事実上の守護神として、最近9試合では3連投も含め6試合に登板し、4セーブを挙げている。球団側の来季に向けた「連投テスト」は十分クリアしているとみられる。

 この日の試合は救援陣がつかまって逆転負け。くしくも、連投続きで休養が与えられた上原の存在が際立つ形となった。日ごろから「メジャーで投げられている自体がうれしい。どんな場面で起用されてもいいように、いつでも準備はできている」と話す上原のひたむきな思いが、ようやく結果を伴って首脳陣に届いたようだ。(デトロイト=佐藤直子通信員)