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「理想的な淡水水槽」 10.7. 藻とコケ 前編

デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

10.7. 藻とコケ 前編


藻やコケの水槽への侵入を防ぐための努力は、ほとんど徒労に終わると言っていいだろう。これらの細胞や胞子はミクロン単位の大きさに過ぎないのだ(1μ=1/1000mm)。たいていの場合、藻やコケはあらたに魚や水草を導入する時、あるいは水交換の際に水槽内に持ち込まれる。残念ながら水槽内には、目に見えない多くの藻の胞子が常に存在しており、彼らは最適な条件が揃い、爆発的に繁殖するタイミングを今か今かと待ち受けているのだということを、我々は前提として知っておかなければならない。

それに加えて、増え続けるアジアの国々からの魚や植物の輸入に伴い、多くの熱帯性の藻やコケが持ち込まれるようになっている。我々の水槽の水温などの条件がそれらの原産地の条件と近いため、藻やコケは水槽内で簡単に増殖することができる。

最も効果のある藻やコケの予防法は、何よりまず「藻やコケが好む環境」を水槽内に作らないようにすることである。そのため我々は本書の10.5.1.章で、水槽には設置時から成長スピードの速い水草を密に植え、水槽においてもっとも危険な時期である初期段階をできる限り速く乗り切るようにと述べたのである。

しかし、それでも水槽の中に多数の藻やコケが発生するようなら、それは健全な水槽が持つ機能のうちのいずれかがうまく働いていないということである。言い換えれば、密に植え込まれた水草が力強く育っている「理想的な水槽」では、藻やコケの悩みはほとんど存在しないのである。

いずれにせよ現実は理想とはしばしば異なるものであり、藻やコケの増殖に対する苛立ちが、水槽を持つことで得られる喜びを破壊し、永久に奪い去ってしまうことがいくらでもあるのだ。


10.7. 藻とコケ 後編へ続く





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