フル回転で逃げ切り態勢だ!

 セットアッパー浅尾拓也投手(25)、高橋聡文投手(27)がハイペース登板でチームを優勝に導く。現在の登板試合数は浅尾が67試合、高橋が59試合で、61年に権藤博がマークした球団記録69試合に迫る。自身5度目の40セーブに王手をかける守護神岩瀬仁紀投手(35)とともに“竜の最強トリオ”が新たな歴史を作り、3強デッドヒートを逃げ切る。

 最後まで突っ走る-。14日から広島、ヤクルトと苦手なビジター6試合。カギを握るのはやはり“竜の最強トリオ”だ。残り12試合。浅尾と高橋がラストスパートでフル回転すれば“権藤超え”は間違いなさそう。半世紀前の歴史を2人が同時に塗り替える。それこそが、阪神、巨人とのデッドヒートを勝ち抜く切り札。4年ぶりのリーグ優勝が目前に迫っている証しでもある。

 13日、自宅で体を休めた浅尾は夕方の新幹線で敵地広島へと向かった。12日横浜戦で56ホールドポイントの日本新記録を樹立。ファンに求められ色紙に『56HP

 日本記録』と書き込んだイケメン右腕は「あと12試合しかないので、いけといわれればどんな試合でも、もちろんいく。今は記録がどうとかは言ってられない」。目標はトップでゴールテープを切るだけと言わんばかりだ。

 浅尾とともに鉄壁のセットアッパーコンビを形成する高橋も思いは同じだ。ホームの防御率0・54に対し、ビジターの防御率は3・09。大幅に悪化するが、相性を気にするそぶりはない。「もう残りの試合は、全部投げるつもりぐらいでいきます。結果が出ていることもあるけど、疲れは感じない」。現在、25試合連続無失点と抜群の安定感を誇っていることも自信につながっている。

 森ヘッドコーチは「最初は(高橋と浅尾)どっちでもいいと言っていたけど、今は岩瀬の前に右がいた方が負担にならない」と話し「高橋→浅尾→岩瀬」の方程式を固めて逃げ切りを図る青写真だ。今季、3人そろって出場した試合はここまで29試合。成績は26勝1敗2分だ。もちろんリードした展開で投入されることが多いが、その数字はまさに異次元。あと12試合。3人がマウンドに上がる試合が増えれば、それだけ優勝が近づいてくる。【桝井聡】

 [2010年9月14日10時46分

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