「iPhone」OS刷新へ 広告挿入機能など
【シリコンバレー=岡田信行】米アップルは8日、高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」用の基本ソフト(OS)を刷新すると発表した。複数の動作を同時にこなす「マルチタスク」機能や、アプリケーションソフトの中に広告を挿入する機能など100以上の新機能を追加した。検索連動型広告で他を圧倒するインターネット検索最大手の米グーグルに対し、ソフト会社と収入を分け合う"アプリ連動型"で対抗する。
新OSは今年夏にiPhoneと携帯音楽プレーヤー「iPodタッチ」向けに投入。今年秋には新型の多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」にも対応し、それぞれ現行OSから切り替えられるようにするが、ソフト投入・更新の費用など詳細は明らかにしなかった。
新OSでは、ネット電話で話しながら飲食店の予約サイトを見たり、音声ガイド付きナビゲーション機能を利用しながら別のアプリを使ったりすることが可能になる。
広告の新機能「iアド」はアプリ利用時にゲームや動画などの形で広告を挿入する仕組み。広告はアップルが配信。無料アプリと組み合わせれば、ソフト開発者の収益源にもなる。
アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は8日の記者会見で「広告収入の6割をソフト開発者に配分する」と表明。ソフト開発者を味方につけて魅力的なソフトの種類を増やし、機器やアプリの販売拡大につなげる。